職員のやる気を引き出すには!

コラム

現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 

皆さんお元気でしょうか、日ごろより新型コロナウイルス対策本当にお疲れさまです!
ようやく、日本全国で緊急事態宣言が解除され、少しづつではありますが、日常が取り戻されつつあります。
一方で、第二波の予兆があるとの報道もあり、まだまだ気が抜けませんね。
私が住んでいる栃木県宇都宮市でも、徐々に、マスクや消毒液など物資の供給が戻ってきているのを感じていますが、他の地域はどうなんでしょう。
例え、緊急事態宣言が解除されても我々介護、福祉施設の感染症との戦いは終息していませんので決して気を緩めず頑張っていきましょう!

 
さて、今回も前回のコラムに続き、アフターコロナの世界について書きたいと思います。
新型コロナがもたらした経済への影響は、リーマンショックをはるかに上回る深刻さであると言われていることは、前回のコラムでも触れましたが、この如何に関わらず、一説によると10年後には、人口知能による世界的な大失業時代がやってくると言われていました。
 
一般によく単純作業の仕事から無くなっていって、専門性の高い仕事のみが生き残ると言われていますが、人口知能の世界では、ディープラーニングといった学習能力の急速な進化が起きており、専門性の高い、頭を使う仕事が先に人口知能に置き換わるのではないかとも言われています。

介護福祉の業界では、現場の業務をIT化したり、ロボットを活用する動きが注目されていますが、これからは、
私達施設長や管理者の業務領域での人口知能の導入が盛んになるのではと感じています。
 
なぜか?それは情報収集や管理については人口知能の方が圧倒的に優れているからです。
 
私達施設長や管理者は、判断することが大きな仕事ですが、それすらも人口知能にとって変わられるとすると、職場には人間が必要ない時代が、もしかしたら到来するかもしれないのです。極論ではありますが、無い話しではないように感じます。
 
ここで、私が皆さんに伝えたいのは、決して機械(AI)に変わられる事のない業務の重要性です。言い換えれば、どんなに優れた人口知能をもってしても、実現出来ない業務の重要性ということです。
 
それは、福祉介護の正解で私たちが暗黙知の中で、実践している「尊厳」や「思いやり」という専門性です。
 
我々施設長や管理者の立場では、人材育成も人口知能(AI)には、任せられない領域です。
これからの介護、福祉の中心となる20代、30代の働き手世代の仕事へのやる気、モチベーションを高め、福祉や介護、利用者や地域を守っていく意義を考えなければなりません。

どうしたら職員のやる気、モチベーションを引き出す事ができるのでしょうか。
私は、やる気や、モチベーションというのは、決して給料だけで出てくるものではないと考えています。また、他人から一方的に指示されても真の達成感は得られないでしょう。
 
私は、若者が一番求めているものと思うのは、「人の役に立ちたい」、「だれかに認められたい」つまり「承認」欲求の充足だと思っています。
 
施設や事業所という組織の中で、ひとを動かす一番必要なものなのがお互いに承認し、認めあう事だと思うのです。
 
人は他人を見る時に欠点を探しがちです。しかし、これから管理者は、職員ひとりひとりの「良いところ」を見逃さず、そして必ず「声」にして褒める、励ます、「承認」する事が重要な事だと思います。

私たちは、考えてみれば幼少期から親に褒められたくて、誰かに認められたくて一生懸命努力してきました。承認欲求というのは人間の本能です。
尊厳という言葉はけして利用者だけに向けられたものではありません。職員が誰かに「認められた」と感じるということは、心が最も必要とされる職場内のパフォーマンスを上げるためには揺るぎない原動力になります。

 
国内実施した日本国内「自分の価値」に関するアンケートでは、「あなたは自分のことを価値のある人間だと思いますか?」との問いに、「はい」と答えた日本人は8.8%しかいなかったそうです。アメリカ人が50%、韓国人が40%を超えると言いますから、他国と比べ圧倒的に低い数字です。もちろん、奥ゆかしい日本人特有の気質も影響しるとは思いますが、率直に、残念でなりません。
 
自分の身近にいる職員にまず、「自分には価値がある」と感じてもらいたい。そして、介護の仕事はどんな仕事よりも人の役に立ち、尊い仕事だと自身と自覚をもっていもらいたいと思います。
そんな風に、感じてもらえる風土を職場の中で創っていくのが、私達施設長や管理者の役割であるし、それが職員のやる気やモチベーション、そして笑顔あふれる職場に繋がっていくと思っています。こうした職場作りを専門用語では「クリティカルガバナンスの構築」というそうです。

この時期、新型コロナウイルスの影響で人と会う機会が圧倒的に少ないのはやむを得ません。
しかし、だからこそこの時期に頑張っている身近な職員の「承認」を高めておく必要があります。
そしてその承認力がアフターコロナの新時代のサービスに必ず花が咲くと思っています。
 
政府は27日、新型コロナウイルス感染症介護分交付金として、4,132億円の給付を閣議決定しました。
まだまだ戦いは終わりませんが、確かな追い風もあります。
私達介護、福祉の現場も希望をもって頑張りましょう!
 
NO WELFARE,NO LIFE!!(福祉なしでは生きていけない!!)