新しい災害の感染症対策。

コラム

現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 

現在、九州地方では梅雨全線が活動を強めており、猛烈で活発な雨雲をもたらしています。特に、熊本県、鹿児島県では記録的な大雨土砂災害や浸水、洪水が発生しております。現在も被害が拡大していますが、皆様には心よりお見舞い申し上げます。
また、熊本県、球磨村の特別養護老人ホームでは、14人の方が心肺停止の末、お亡くなりになりました。その他、犠牲になられた方々のご冥福を心よりお祈り致します。

実は、今年は九州地方に限らず、大規模な自然災害の発生が予見され、私自身、そのことを懸念していましたが、梅雨の時期にここまでの甚大な被害が発生するとは予想だにしていませんでした。
災害時、まず必要になるのは、「物」「人」でしょう。当法人としても、現在、規定される災害に備え、様々な整備をしているとは言え、新たな防災、災害の規定を独自で構築していかないといけないと思っています。
 
私が所属し、理事を務めている老施協においても、会員施設への支援として、必要なものを抽出し、互いに物的支援をおこなう事など、様々な検討が必要だと思っています。
また、そうした会員視線の体制を構築したとしても、万が一に備えた利用者の移動先、支援を担ってくれる人の確保などは、事前に一定のシュミレーションを行っておくことが重要でしょう。いずれにしても、行政の先導を待つことなく、各施設、個人の心がけが大切になってくると思います。


さて、以前にも取り上げましたが、このような被災地で心配になるのは、密集し人が集まらざる得ない避難所での新型コロナウイルス含む、感染症の蔓延です。
避難所での感染症については、過去、東日大震災などでは、岩手県内の避難所で数十人規模でのインフルエンザの感染が確認されています。
また、先の熊本地震でもノロウイルス、インフルエンザの感染が相次いだという例があり、以前にもお伝えしましたが、避難所での感染症との相性は環境的にも最悪であり、いくつものリスクが幾重にも重なり例年以上の警戒が必要なのは間違いありません。

今回は、皆さんと一緒に感染症対策として「備蓄」の重要性について、考えてみたいと思います。
 
避難所では感染症を防ぐために、マスク、体温計、アルコール消毒液やウェットティッシュなどの最低限の準備が必要でしょう。
こうした物資は、各自治体で確保してくれているケースもありますが、実際のところ自治体によってばらつきがありますし、災害時には一気に消費、不足する可能性もありますので、出来れば自分で準備しておいた方が賢明だと思います。
また避難所では、大勢が密集して生活するわけですから、自身が避難所に感染源を持ち込まないようにするために、体温のチェック、手洗い、消毒の徹底と、段ボールなどを活用して自分のスペースを個室化、飛沫を防ぐ間仕切りなどの工夫も必要でしょう。

 
そして、なにより最も心配されるのは、避難所における、密閉密集密接の3密です。
 
可能であれば、避難所以外の安全な場所が確保できると良いと思います。実現の有無は別にして、頼れそうな親戚や知人などの住まいを意識しておくと良いのではないでしょうか。
仮に、頼れる人物だったとして、いざ被害に遭遇した時、気持ち的にもゆとりが無くなり、電話帳や住所録、携帯電話だって紛失している可能性があり、住所が思い出せないなんてこともあります。
いざという時、必要な情報を思い出す訓練をしておくことも大切だと感じます。また、避難所以外にも、ホテルなどのを想定しておくなどの「分散避難」が有効な対策だと思います。

日本はとにかく災害の多い国です。しかし、ここ数年の自然災害の発生は異常で、政府としてもこれら災害対策については対応しきれているとは思えません。
本来は、専門の省庁をつくるくらいの対応が必要なのではないかとさえ私は思っていますが、いずれにしても早急に、減災対策として「災害時の感染症対策」の指針をまとめ、各種ガイドラインの発行に着手すべきです。
加えて、情報周知を国内、各都道府県、各自治体に示し、少しでも救いの手を差し伸べてもらいたいと思います。
 
減災対策については、今回のコロナウイルス感染症の影響で、今まで地域や自治体でおこなっていた訓練なども出来なくなっているのが現状です。
 
その中で、地域事情に応じたきめ細かい支援を実施できる拠点として、私たち社会福祉施設は重要な役割をもっているわけですから、「物」、「人」、新たな防災対策の構築と、なかでも二次避難所として指定されている施設では、今のうちから備蓄や段ボールなどの確保し、少しでも被害を減らす事前対策を講じる必要がありそうです。
 

現在、九州地方を襲っている、豪雨被害、河川の氾濫は、この後、本州に続いていく可能性が充分にあります。
皆さんには今のうちから充分な警戒と準備をお願いしたいと思います。
 
それでは、来週も健康でお会いしましょう!
NO WELFARE,NO LIFE!!(福祉なしでは生きていけない!!)