コロナの現場から。

コラム

現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 

7月22日から始まったGOTOキャンペーン。
新型コロナの第2波の襲来が心配される中ではありますが、連休も相まって東京を除く国内の観光地では、かなりの賑わいがあると聞いています。
皆様には「自分と周りの人の健康は、自分が守る」という意識で、仕事にもとプライベートにも細心の留意を頂きたいと切に思います。

さて、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、7月1日、私の先輩にあたる人が勤務する千葉県の特別養護老人ホームにて、職員3名、利用者2名の計5名が、新型コロナウイルスに感染、所謂、クラスターが発生したというマスコミ報道がありました。
すでに終息を迎えているとの事ですが、今回当該施設の施設長から、実際にを聞く事ができましたのでお伝えしたいと思います。
 

今回のクラスター発生で、特に大きな問題になったのは、「保健所のPCR検査に時間がかかった」という事でした。
 


最初の1人目となったのは、施設で勤務する職員だった様ですが、その人物の陽性が確認されたのは、発熱等で疑いがあった日から数えて5日目だったそうです。
発熱等により新型コロナの疑いがあった時点から保健所、病院にも連絡をしたにも関わらず、PCR検査は受けさせてもらえなかったとの事でした。
 
その後、2人目となる同ユニットの利用者の陽性が確認されることになりますが、陽性確認当日の入院は叶わず、1日施設宿泊の後に保健所の判断でようやく入院となったとの事です。

施設長の言うには、「保健所の指示で動く」という事が鉄則であり、受け入れ体制が出来ていたとしても、病院も救急隊もどうにもならなかったという事です。
 
既に、陽性患者が発生している施設であるにもかかわらず、保健所の指導により、PCR検査が実施されたのは、感染が確認されたユニットのみで、当該施設に勤務する全職員の検査は実行されなかったそうです。
 
夜間、医療従事者がいない特養等の介護施設において、陽性の要介護者が即入院できなければ、感染拡大を起こすか、感染者を重篤化させるかのいずれかしかありません。今回、迅速に入院受け入れが叶わなかった事は、大変な不安であったという事でした。
 
政府としても、これらを受けて7月22日の新型コロナウイルス対策本部では、「介護施設の高齢者、職員を対象とする検査体制の充実をしていく」と首相みずから方針を示していましたが、県や市町村によって実情や温度差があるのも事実です。

すべての都道府県において円滑にPCR検査や入院体制が整う事が重要でしょう。


当該施設の施設長は、「落ち着いて感染を広げず、職員が離脱しなければなんとかなる。1人目の感染者をいかに早く発見できるかが大きな鍵となりますよ」と話していました。
 
実際に感染者が出た場合には、とにかく多くの場所に連絡する必要を迫られるでしょうから、記録や連絡網の整理も必要になると思います。しっかりと備え、日常のサービスの質が低下しないように頑張りましょう!
 
WELFARE,NO LIFE!!(福祉なしでは生きていけない!!)