リーダー職員が施設を変える!

コラム

現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 

「新型コロナウイルスが第2波を迎えている」
もはやそう言っても過言ではない状況に日本は進みつつあります。加えて、東京や大阪などの都心部では第1波を超えた感染者数が確認されています。
通所・入所を問わず、福祉施設での緊張感も再度高まってきている事でしょう。
 
PCR検査の実施状況や、感染者の入院についても国と都道府県、自治体の対応には、ギャップが生じている地域もあり、すでに「万が一」ではなく、「起こるもの」と考え、準備をしておく気構えと覚悟が必要な時期であると思っています。

さて、今回は施設内における「リーダー級職員」について書きたいと思います。
言うまでもなく、私たちの施設で現在何より深刻になっているのは、「人材の不足」と「財源不足」の問題でしょう。
特に、介護人材については、2025年には約38万人が不足すると試算されており、供給見込みとされている215万人に対し大きな遅れをとっています。
 
国や都道府県では、来るべき未来に備え、少しづつではありますが具体的な政策を検討している段階です。その中で、私が特に重要と考えているのが、施設の中間管理職となる「リーダー級職員」の育成です。
 
私は、介護施設の人材は、主に大きく3つのカテゴリーで成り立っていると考えています。
 
①法人の事業戦略を実践する管理職である理事長や施設長(場合によっては施設長も中間管理職ですが…)
②施設の介護現場のマネジメントを行う中間管理職であるリーダー級職員
③最前線である職員
 
どのカテゴリー人材も、重要なのは言うまでもありませんが、利用者のサービスや施設のマネジメントを強化できる「リーダー格職員」が増えなければ、現在、我が国が抱えている介護人材不足は解消されないでしょう

 
実は、中間管理職である、リーダー級職員と施設のポテンシャルは大きな因果関係、相関関係にあります。
 
リーダー級職員の仕事の多くはマネジメントであり、管理職と現場の介護スタッフの中間の立場であって、その施設の入居者へのサービス、職員への教育、連絡調整から物品管理、会議の出席から職場の雰囲気づくりなど、まさにその施設のサービスの礎をつくっているといっても過言ではありません。
リーダー級職員自体の専門性や能力も求められ、いざという時のとっさの判断などの臨機応変さも問われ、実践で的確な指示ができる知識や、指導力も必要でしょう。
そうでなければ最前線の職員は不満を持ち、現場は機能しなくなってしまいます。
一方で適切な仕事ができればスタッフからは信頼され、自らの裁量で施設サービスをマネジメントできる非常にやりがいのある仕事でもあります。

介護業界はいかに魅力的な現場をつくっていけるかが問われていますから、最前線である現場の職員にとって身近で一番頼れる存在は、中間管理職であるリーダー級職員です。
つまり、頼れるリーダーがいる場合は職員の定着にも繋がるし、さらに職員が職員を呼び込んでくるなど好循環にも繋がってくるのです。
施設としても、施設内においてのキャリアパスなどの構造的なあり方を構築し、より専門性のあるリーダー級職員を筆頭に、頂上型のピラミッドをつくっていかなければなりません。
 
実際のところ、介護労働センターの調査では、私たち介護職の離職率の割合は、3年以上勤務している職員は全体の3割程度でしかありません。
その他6割は3年以内に離職しているのが現実なのです。
 
国においては、ようやく介護現場のリーダー育成に対する方針を発表し、好事例などのロールモデルを展開するとしていますが、やはりここは国や自治体頼りでなく、介護業界で仕事をする私たち自らが、自分たちで魅力ある職場をつくり、定着率や人材確保をせねばなりません。
 
私が昨年の参議院選挙で、全国約1000施設を回り、声を大にして叫んできたのは「介護は究極の専門職であり、サービス業である」という事です。
そこには、大きな責任も伴っていますし、尊厳も存在します。
決して世間が言う「大変な仕事」ではありません。
 
社会的に正しくに評価され、様々な観点から価値を認めてもらう必要があるのです。
 
まずは、自身の施設から、身の回りから、そして自分自身から、専門職としての自分の価値を高め業界全体のレベルを上げていきましょう!
 
福祉とは、すべての人間の「幸せの実現」を目指すものです。この世界は、福祉なしでは決して成り立たないのですから。
 
来週も元氣でお会いしましょう!
WELFARE,NO LIFE!!