現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
8月28日午後14時過ぎ、速報で伝えられた「安倍首相辞任の意向」のニュースは、私だけでなく日本国中に大きな衝撃が走りました。
かねてから、予定はされていた会見ではありましたが、多くの報道ではまさかの辞任会見と報じられ、予想外の言葉が何度も繰り返されていました。
2012年12月に、第2次内閣発足から約7年8ヶ月、渦中にある新型コロナウイルスの対応だけでなく、悲願であった憲法改正や北朝鮮拉致問題などの道筋の半ばの退陣となり、私としても「まさか!」との気持ちでしたが、恐らく断腸の思いで決断されたのだろうと受け止めました。
持病である潰瘍性大腸炎を抱えつつ、一国の総理大臣として限界まで働かれ、職責とはいえその執務とストレスは、常人の想像を絶するものだったと思います。今は、素直に心からお疲れさまでしたと感謝申し上げたいと思います。
現在の世界情勢は混とんを極めています。
新型コロナウイルスの影響が及ぼす経済の不安定、米中冷戦構造の中における外交、防衛、そして何よりITに代表される情報のパワーバランス課題、日本は国際社会において非常に難しいに迫られていると言えいます。
安倍首相の辞任を聞いて、あらためて思うのは、これまで安倍首相が外交の場面で発揮していた「存在感」です。
安倍首相の今までの功績は、後の歴史が評価するはずですが、今まで国際社会のなかでここまで日本の存在感が発揮された時代はなかったと思います。
特に、私が功績だと感じているのは、韓国への対応です。
例えば、これまでの日韓関係は、隣国である韓国の言い分を渋々飲むといった関係が続いてきた経緯があり、外交については弱腰の姿勢が見て取れました。
しかし、安倍首相が就任してからの約7年半は、日韓関係正常化を度外視して「間違っていることは間違っている」と毅然とした対応ができていた事は素晴らしい事であると思います。
今後、徴用工問題などをはじめとする日韓関係において、韓国にとって都合のいい外交が成立しないように、次期総理には日本人として、安倍首相が示してきた姿勢を決して崩さないでいて欲しいと願うばかりです。
国内課題についても同様です。
国を守るためには、経済の安定化は絶対で、万が一にも、間違った政策を取ると経済はマイナスに働き、日本の企業は世界から取り残さるだけでなく、他国に蹂躙される危険性さえあると思います。もちろん、この懸念は介護や福祉分野であっても例外ではありません。
間違った政策で進んでしまった場合は、ありとあらゆる分野で破たんが始まります。子供たちの未来は閉ざされてしまいますし、介護や福祉に予算を投じる事はますます難しくなるでしょう。
「安倍首相から、次期総理へ」、この歴史に残る転換期は、決して他人事ではありません。
現在、国民の政治離れが加速しています。これは先の全国の選挙の投票率を見ても明らかですが、我々国民は、政治家や国、政権に対して「良い政策は良い。悪いものは悪い」としっかりと評価していかなければなりません。それは、国や厚生労働省が提唱している「わが事」そのものなのです。
それでは、時期総理は誰がふさわしいのでしょうか。
あくまで私の一個人の意見でしかないのですが、思い出すのは、前回の介護報酬改定プラス改定です。
この時、我々、老施協は、福祉介護問題に熱心に取り組んで下さっている多くの政治家に陳情を行い、勉強会やミーティングの機会を頂きました。そして、官房長官である菅先生には、大変心強い応援を頂きました。
また、昨年の参議院選挙の際、立候補していた私は、総理官邸で菅先生と話しさせて頂く機会も頂き、励ます会にも忙しい中、足を運んで下さいました。本当に熱心に、現場の声を聴いて下さったことが記憶に残っています。
加えて、同郷の代表である茂木先生の顔も脳裏に浮かびます。非常に、国際感覚に長けている方で、外務大臣経験者でもありますから、世界の中で日本の存在感をしっかりと維持して頂けるものと想像します。
新型コロナウイルスの影響から、次期介護報酬改定の論点の整理や介護保険部会などのスケジュールは遅れていますが、12月には基本的な考えた方の整理、とりまとめ、諮問・答申が行われる予定になっています。
この社会保障審議会、介護給付費分科会には、我々全国老施協の小泉立志理事が出席されていますが、令和3年の来年4月に迎えるこの改定は、我々の介護施設にとって死活問題であり、何をしても基本報酬のプラス改定、今後の全国の介護施設の事業継続と利用者へのサービスの質の向上と底上げを図らなければなりません。
100年に一度とも言われるコロナ禍の中で、果たして今後どのような展開がされるのかまったく解らない状態ではありますが、特に介護・福祉分野には追い風になるような政治に大きな期待を寄せたいと思います。
しかし、これを実現するためには、業界だけの声だけでは難しいでしょう。政治的な駆け引きや綱引きが今後、激化するのは間違いなく、芯に介護・福祉を理解し、支援してくれる政治家の先生が不可欠になります。
次の総理総裁候補が誰になるのか、今はまだ分かりませんが、先に述べた通り、私たち国民は、首相はもとより、しっかりと政治家と政治を見て、彼らの政策を判断していかなければなりません。
これからの時代をつくっていくのは、誰でもなく私達なのですから。
WELFARE,NO LIFE!