菅新内閣発足!

コラム

現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 

シルバーウィーク真っ只中、皆さん如何お過ごしですか?
連休中の敬老の日、高齢者介護施設等では、長寿を祝うイベントも企画されているのではないでしょうか。皆様のご長寿、そして、健康で幸せな日々を送られる事を心から祈願致します。
 
さて、先週の16日に総理大臣に就任された菅新総理は、新内閣を発足。新しいスタートが切られました。
当面は、新型コロナウイルスの予防・対応と経済活動の両輪に向け、必要な対策を優先するとされていますが、私が注目したいのは、やはり行政改革、規制改革への対応です。

特に、私たち介護業界としての大きな関心事は、菅総理が掲げた厚生労働省改革と厚生労働大臣の動きではないでしょうか。
言うまでもなく、来年の4月には、介護業界にとって大きな節目となる介護報酬の改定が待っています。
 
総理の意向や閣僚人事が、この報酬改定などに大きな影響力をもたらす事は間違いなく、どれだけ現場の意見・要望を組み入れてくれるのか、注目していくことはもちろん、私自身、様々なチャネルをフル活用して、しっかりと現場の声を届けていきます。
 
菅新総理は引き続き全世代型社会保障への転換に取り組んでいく事も名言され、目指す社会像として「自助、共助、公助そしてであるとの方針を打ち出しました。
これまで、野党との政策の違いが、あまりハッキリしなかった社会保障・社会福祉の分野で、議論の焦点が少し分かりやすくなったように感じます。
 
社会保障政策の予算や厚みを考えると、基本的には今まで通り、介護現場の生産性向上、事務負担の軽減、予防と健康づくり、エビデンスに基づくサービスの展開、そして、人材確保の体制をどう整えるかが最大の課題となるのは間違いありません。

 
特に、「エビデンスに基づくサービス展開」という分野については、今後ますます介護現場からの発信が必要となるでしょう。
 
私も市議会議員時代、何度も経験しましたが、原則的によほどの負荷がかからない限りは、政府や行政は絶対的な根拠なしに予算はつけません。
介護や福祉、社会保障など大きな予算が必要とされる分野はなおさらで、現場の声が政府に届かない限りは動き出す事すらないのです。実現には全国の介護福祉に関わる法人の執行部、理事長、施設長、リーダー級職員、そして、現場職員すべてが声を挙げて、訴えていくしかありません。


日本は、「他国に比べて政治に関心がない」という風潮があります。これは、昨今の投票率を見てもこれは明らかです。
諸外国を見てみると、経済や生活が危機的であったり、国民が真剣に声を挙げなければどうしようもない状態になっているから、政治、選挙に強烈な関心があるのだと思います。
それに比べると私たちの暮らす日本は、そこまで政治に関心を持たなくても、声をあげなくても、生活に直結するような支障が少なかったという事も示しているように感じます。
 
しかし、それは「今までの事」です。
 
今後の日本の人口動態、超高齢化、税収が減っていく事などを鑑みるとと今まで以上に予算配分はシビアにならざるを得なく無くなるでしょう。間違いなく、政治の役割、選挙の意味は重要性を増してくるのです。

この度、厚労省は「100歳以上の高齢者が初めて8万人を超えた」と発表しました。この伸び率は、過去最大であったとしています。
ここまでの長寿社会が実現できているのは、医療・介護サービスが発展・充実してきたことに加え、現場で働く私たちが質をあげているからに他なりません。
 
私は、今回の厚生労働大臣指名は、全世代型社会保障の実現を目指している菅新総理にとって、改革を前に進める布陣であると期待しています。新厚生労働大臣に就任された田村倫久氏は、介護・福井分野のスペシャリストで、過去に厚生労働大臣を務めた事もある知識人です。私は、何度か、田村議員とお話しをしたことがありますが、介護・福祉への理解と意欲には大変な感銘を受けた事を覚えています。

これまで、介護・福祉分野は経済活動とは、どこか無縁な活動でなければならないという風潮もありました。むしろ、ボランタリー精神こそ美徳であるという意識もあったように感じます。
全国の特養における赤字施設の割合は、約4割にも登っているが、確たる証拠でしょう。
決して、ボランタリー精神を否定するこもではありませんが、そのことが全国で汗を流している職員の処遇やご利用者のサービスに直接影響することようなことがあってはならないと思います。
私たちの仕事の専門性が正しく評価され、持続可能な福祉・介護の仕組みが実現することが、私たちの日常生活の安心につながっていくということを多くの国民に知ってもらう必要があるでしょう。
 
もう「政治に関心がない」と言っている場合ではありません、これからの社会は私達、介護・福祉職にかかっているのですから。
 
WELFARE,NO LIFE!