次期、報酬改定に向けて

コラム

現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 
活動規制が少しづつ解除され、菅新内閣も本格的に稼働し始め、私たちの生活も次第に新たな日常に慣れてきた感がありますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
新型コロナウイルスで遅れていた社会保障審議会などの調整が進み、いよいよ来年の介護報酬改定、制度改正、それに沿ったサービスの構築に向けた議論本格化されようとしています。
 
言うまでもありませんが、今夏の議論で焦点となるのは、「新型コロナウイルスの影響を巡って、どのように介護の現場の努力を評価するか」という事です。
 

統計によると、全国の介護施設でのクラスターの発生件数は、100件を優に超たそうです。
介護現場では、今なお、人材確保、感染予防、消毒の徹底、システムの導入や予防意識の向上など、通常業務に加わった様々な感染対策・感染予防業務が、職員の大きな負担になっていることは否めません。
 
現在、政府の補正予算において、かかりまし経費などが助成され特別措置が取られてはいますがそれはあくまで臨時的なものであります。
恐らくは、有効な予防ワクチンや治療法が確立されるまでは、永続的に続くだろう新型コロナウイルス感染対策には、一時的な特例措置ではなく、恒久的な支援や制度の見直しが不可欠になると考えますので、ここは、関係団体が一体となって多方面から政府に強く働き掛けしなければいけないと思っています。

特に、人材確保の課題深刻で、対策を急がなければなりません。
今年8月時点では、介護労働安定センターの「介護サービスに従事する職員が不足していると考えている事業者」は65・3%で以前として厳しい状況なのです。
 
また、コロナの影響から、仕事を失った人が増えたせいか、一般産業を見ると、この数ヶ月で企業の有効求人倍率は低下し、求職者数は増加傾向となりました。
過去の傾向では、一般産業の有効求人倍率が低下している時は、介護業界を新たな職場として考えてくれる人が増えるのですが、残念ながら今回は、介護職に就きたい求職者数は減少傾向となっています。
これは恐らく、医療施設や介護施設でのコロナ感染拡大の影響や不安感が大きく働いていると思われます。

政府は、介護現場で働くことへの安心感を得られるよう、施設内での積極的なPCR検査の実施をより一層整備して欲しいと思います。
また、医療だけでなく、介護業界においても、差別・偏見を無くしていくような啓蒙や情報発信に加え、ITやテクノロジーの導入を支援する新しい仕組みづくりも検討して欲しいと考えています。
 
介護業界が直面している課題は、決してコロナ過のことだけではありません。
日本認知症学会によると、この先、通所系サービスも69%がサービス減、訪問系サービスでも50%減という数値が占められています。施設サービスだけでなく、在宅サービスにおける課題も山積なのです。
介護業界では、「恒久的に介護現場には負担がかかっていく」ことを、広く国民の皆様に理解して頂きたいと思います。
 
もちろん、私たち自身が、サービスの質の向上やコロナ禍での予防、職員とご利用者の安心と安全を担保していく努力を続けていく使命を全うしていくというのは言うまでもありません。
現場と政府は、強く連携し、両輪で課題に対応して進めていかなければならないと思っています。
 
今後、政府と関係団体とのヒヤリングが実施されていきます。私たちは、強く現場の意見・要望を伝える努力をしていきます。
政府には、是非!真摯に耳を傾けてスピード感をもって取り組んで頂きたいと期待しています。

WELFARE,NO LIFE!