現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
9月27日未明、三浦春馬さんに続いて女優の竹内結子さん自殺という衝撃のニュースが飛び込んできました。
当初このニュースがまったく信じられませんでしたし、全国に居る大勢のファンの方もショックを受けたと思います。
俳優中村大樹さんとの間に新しい命を授かったという報道を聞いており、仕事だけでなくプライベートも順風満帆であると思っていたので、本当に残念でなりません。
実は、竹内結子さんは私が最も尊敬する女優さんのひとりなのです。
私が、竹内結子という女優を最初に知ったのは、「いま、会いにゆきます」という映画です。
原作は、市川拓司氏のファンタジー恋愛小説で、亡くなったはずの最愛の妻「秋穂澪(竹内結子)」が、雨の季節に、一人息子の「祐司君(武井証)」と夫の「秋穂巧さん(中村獅童)」のもとに帰ってくるという内容で、正直何度泣いたかわからないくらい感動して、物語もですが、本当に竹内さんの存在と想いが純粋で清らかで美しく、すべての人に大切な人と一緒に見てもらいたいと思う映画でした。
当時、映画を見て、自分はいま「悔いのない人生が送れているのか」、「未来に何を残していけるのか」、健康を含めて「自分を取り巻く環境は当たり前でない」ことをあらためて再認識させられたものでした。
それだけに、作品のなかで深い家族愛を完璧に演じきった竹内結子さんの訃報は、ただただ胸が苦しかったです。
今は、心よりご冥福をお祈りしたいと思います。
同時に気になるのは、今回の訃報に対して、ネットやSNS、メディアなどで様々な憶測が流れていることです。
長年、福祉介護業界で仕事をしている立場として言えることは、自死というのは、複数の原因が合わさって起きるもので、何か特定の理由で命を絶つという事は無いということです。
報道で言われている「産後うつ」が原因であるとか、「育児ノイローゼ」であったとかは、根拠のなく思いやりのない発言であり、それがどれだけ残された家族を深く傷つけてしまうのかを理解しておらず、何も配慮がされない報道姿勢に正直憤りを感じてしまいます。
先に述べた通り、自殺の原因はさまざまですが、その一つに「孤独」がある事は間違いないでしょう。
個人で抱えて悩んでいると悩みはエスカレートする傾向があります。結果的に絶望感に駆られて希望を失い自分を追いつめてしまうケースもあるでしょう。
実際に、自殺をした3人に2人の割合で誰にも相談せずに命を絶っているという検証・統計もあります。
また例え、周りに友人や家族がいても、本人にとって何らかの壁が出来てしまっているなら、それは「孤独」と同じです。
周りが気付き、繋がりをつくっていく努力も大切な事だと思います。
今年8月までの統計で、日本の自殺者は1849人となり、前年に比べると246人と大幅に増加するペースとなっている事がわかりました。
コロナ禍のなかでも、2月から6月までの自殺者数は例年と比べて10%減となっていましたが、7月が急にペースが上がり、特に、自殺者が若年層と女性に集中していることもわかりました。
これまで日本の自殺者の大半は、労働力の中心である中高年層であったので、大きな社会構造の変化が自殺者の数字に表れている事が解ります。
こうした統計の解説は諸説ありますが、現在のコロナ失職の影響や、心のバランスが崩れたまま希望が持てずに判断を誤ってしまったとの見方がされています。
私たち介護業界も決して他人ごとではありません。
コロナウイルスの影響で、特に地域での高齢者の孤立化は、さらに進んでいるのです。
菅総理が掲げている自助、共助、公助、そのうち、国民一人ひとりの自助の役割が限界に来てしまった時、周りが、本人を支られる繋がりや環境をどうつくってあげられているかが求められてきます。
家族や友人の立場としてもそう、しかし同時に、それは正に私達介護・福祉の仕事でもあります。
今後、コロナ禍の影響で、偏見や差別だけでなく、経済や生活のストレスが日本全体に一気に押し寄せてくる事が予想されます。
今自分に出来る事は、もし自分に余裕があるのならば、せめて自分が関わっている知人、友人、家族などの身近な人間の不安を聞いてあげる事など、出来る事から始める事が大切ではないでしょうか。
WELFARE,NO LIFE!