人材確保の新機軸

コラム

現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 

いよいよ今年もあと残すところ三ヵ月を切りました。
新型コロナウィルス感染症はもとより、風邪、インフルエンザが心配な季節となり、介護・福祉の現場では精神的な疲弊や不安など緊張感が続いています。
皆さん、どうかくれぐれも健康には、留意してください。
 
介護・福祉の業界における人材確保の課題は、以前のコラムでも何度か取り上げていますが、私たちの自助努力として時代の変化に合わせた人材確保の在り方を探っていかなければならないと感じています。

今日は、このコロナ禍のなかで、学生を含む介護・福祉の求人に、応募する求職者の意識として大きく変化したものについて、考えてみたいと思います。
私が一つ大きく変化したと実感するものの中に、働く現場におけるコロナ対策というものがあります。
つまり、「働く職員を守る対策を適切に行っているか」です。
 
例年までは、「やりがい」や「人間関係」、「賃金、処遇」といった諸条件が、求職者が職場を選ぶ要件としてトップを占めていましたが、今年の就職活動ではこれらを抜いて、どれだけ新型コロナウイルス対策を講じているかが、求職者の大きな関心事になっている印象があります。
 
新型コロナウィルスの影響は、介護・福祉の業界において、人材確保に影響し、また阻害要因となっていることが解ります。

現場としては、利用者や家族はもとより、職員に対しても、安心感を持たれるように、しっかりとした対策の説明を考えなくてはいけないでしょう。
このような時期だからこそ、外に向けてだけでなく、「今なかにいる職員を大切にする意識」こそ重要で、これは定着率だけでなく職員が職員を呼ぶ時代になってきた昨今にも、大きく影響してきます。
 
私は、今だからこそ施設は内政に力を入れるべきと考えました。
給与規定や雇用形態、就業規則、サービスマニュアルの見直しなど、今までの業務の在り方を含め、採用、育成、定着など、コロナ禍での人材確保の在り方をもう一度考える必要性があると思っています。
 
私の施設でもそうですが、今いる施設職員の高齢化も目立ってきています。
定年だからとか、体力の衰えが理由で、職場を離れなければならないという事を少しでも無くしていくために、フルタイム勤務だけでなく、勤務形態を短時間に切り替えるなどの多様性を持たせることも必要だと思います。

10月7日、菅義偉新政権のなかで、初めての規制改革推進会議が開催されました。
そのなかで、これからの生活における、デジタル化の導入押印の効率化WEB会議の活用と推進が話し合われました。
菅首相からは、「医療・介護はデジタル化が最も遅れている業界であり、デジタルの持つ可能性が十分に発揮できるように改革を進めて欲しい」と指示がありました。
 
今後は、これらデジタルトランスフォーメーションの推進に向けて、今まで阻害していた規制や制度が取り払われ、またコロナ禍がトリガーになり、前の今までの日本社会におけるアナログが一気に変化する時期が訪れるはずです。
 
人材確保という意味においても、特に学生に向けては、時代に合わせたWEBコンテンツ、動画の活用なども今後施設としても提供していく必要があると思っています。
私が特に目を向けているのは、現在学生や私たちの生活のなかでスマートフォンからの最大のコンテンツになっているYouTubeの活用です。
近い将来、どの施設においても施設のサービスや環境、情報などをYouTubeで配信、施設でチャンネルを持つ時代が来ると私は思っています。

人材確保の方法は多岐に渡り、これが正解というものはありません。
地域によっても、施設の規模、職種などそれぞれ実情も違うために考え方もそれぞれでしょう。
しかし、大切なことは「変化に対応した新しい発想で人材確保をおこなう」ことだと思います。
コロナ禍の影響で人間の価値観が大きく変わってきていますから、アナログからの脱却、前例に捕らわれず必要な情報に対して常にアンテナを張り、介護・福祉に携わる私たちが、まずは意識からでもシフトしていく事が大切だと思っています。

今、主に医療・農業・販売・通信・公共交通、そして私たち介護と福祉などの社会生活を支えるうえで欠かせない仕事をしている人間を指す「エッセンシャルワーカー」という言葉が注目されています。
今までわかってはいても、注目されていなかった私たちの仕事に対する社会の感謝の念を込めた言葉として普及してきている言葉です。
 
この時期だからこそ、私たちは介護と福祉を社会的に価値のある仕事のひとつとして社会や政府に認めてもらい、さらなる地位の向上を図り、現場のために発信していく事が重要だと思っています。

WELFARE,NO LIFE!