第3波と、もうひとつの戦い。

コラム

現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 
ここ連日、新型コロナウイルスの第3波と思われる感染拡大が、過去最多のスピードで確認されているという報道が続いています。
特に東京や大阪、北海道などの大都市圏については、感染者数の増大が顕著で、中でも重傷者については第2波のピークであった今年8月23日時点より増加していると言います。
 
旅行や飲食による国内の人の移動の増加によって、感染者を検知しにくいクラスターが起こっているという見解と併せて、一時に比べて基本的な感染予防対策が徹底されていないこと、また冬場に近づき気温の低下、乾燥などが感染拡大に影響しているという意見もあります。
 
私たち高齢者施設で介護業務に従事する者としては、冬場の換気対策や、接触機会削減の工夫、行動制限に心がけなくてはいけませんから、例年以上に神経を使う年になる事は間違いありません。
このような落ち着かない日常の中、刻一刻と近づいているのは、来年度の介護保険制度改定介護報酬改定の議論です。
 
私たち、全国老施協としては、様々な機会を通じて、現場への「感染症対策備品の供給」、「PCR検査の充実」を訴えて来ました。
もちろん、こうした陳情に併せて、新型コロナウイルス対策に取り組んでいる介護施設、事業所の努力を介護報酬プラス改定、しかも、基本報酬で評価するべきであると訴え続けてきました。
しかし、財務省からは、新型コロナウイルスの影響では、介護事業者だけでなく一般産業にも倒産や廃業が増加している。加えて、補正予算による厳しい財政状況にある事を背景に「たやすく介護報酬プラスには結びつかない」「介護報酬のプラス改定をすべき事情は見いだせない」と非常に厳しいコメントをもらっています。

 
現在、医療現場ではこの第3波と思われる感染拡大を受けて、医療機関のひっ迫、深刻化が問題視されます。
全国、特に都市部の病床の使用状況も急増している状態であり、こうした現状において、私たち介護事業者は、医療機関への高齢者のなだれ込みを食い止めている一番大の堤防であると言えると思っています。
 
介護事業者が、万が一にも、高齢者や障がい者を支えられない状態となれば、その影響は、もはや当事者だけの問題ではなく、全国民に広がっていくことでしょう。
 
老施協としては、この議論に対して、さらなる粘り強い要請活動を行っていきますが、やはり最後は、政府に対する大きな力が不可欠であるということをあらためて認識しないといけないと思っています。
何故なら、年末の最終調整に向けた議論のなかで、現在も国会で激しい攻防が続いていることを目の当たりにしているからです。

 
こうした状況を鑑み、私は、過日11月16日に栃木県選出の衆参両国会議員の先生方に、介護現場からの要望書を提出し、現場の声を届けてきました。
 
11月18日には、全国老施協の平石会長、常任理事の園田修光参議院議員、その他介護4団体の代表者と一緒に、総理官邸を訪問し、業界の声として菅総理大臣に直接要望書を提出致しました。
 
こうした活動の実績として、これまで要望を続けていた、新型コロナウイルスの「PCR検査の充実」については、既に、厚労省内に指示があり「高齢者施設の入所者や介護職員が発熱などの症状が出た場合、必ず検査を行うように」と、全国の都道府県、保健所に通知が発令されました。また、厚生労働省からは、高齢者施設からの検査の求めに保健所が応じない場合は、自費で検査をした施設に対して費用を補助する方針も示されています。
 
今まで、実際に疑いがあった場合でも、保健所に検査を依頼しても応じてもらえない。実際にコロナウイルスが発生した施設でさえ、「全職員の検査が受けられない」と不安の声が多く寄せられていましたので、少しは、事態の改善に向けて、お役に立てたかなと感じています。
また、介護の現場を守るためには、これからも多方面からのあらゆる働きかけを地道に行っていくことの重要性をあらためて感じました。
 
介護サービスを取り巻く環境を考えると、今後も非常で厳しい状況であることは間違いありません。第三次補正予算もどのように影響するかわかりません。
しかし、新型コロナウイルスにより大きな影響を受け、連日、神経をすり減らし懸命に働いている介護事業所、職員の努力に少しでも報いるような結果を来年には出さなければなりません。
私も第3波に負けず、感染症対策と共に、これからも自分の出来る事をしっかりと取り組んでいきたいと思います。

また来週も皆さんと元氣で健康にお会いできる事を心より楽しみにしています!
WELFARE,NO LIFE!