連休明けの感染拡大

コラム

現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 

感染拡大の懸念が止まりません。
3連休明けの今日、感染者の増加は予想できた事ですが、特に都市部では、これから迎える冬場の到来に向けて早急に次の手を打たないと、医療現場の負担が更に増し、助けられる命をも助けられない。
介護現場においても、支援崩壊が充分に予想される事態となってきました。
 
現在、1人の感染者が何人に感染させる(可能性がある)かを示す、実効再生産数は、全国単位では1を超える水準で、一部大都市地域では2を超える割合となっています。
既に、医療提供に困難が生じている地域や都市部では、接触機会の削減や、私たちの高齢者施設などにおいては、積極的なPCR検査の実施も必要でしょう。
 
どうしても医療の影に隠れがちですが、介護業界もマスコミや世論を巻き込み、介護現場のひっ迫した現状を広く伝え、国民全体にさらに強い危機感を持ってもらうような働きかけが必要なのだと思います。
 
政府会見で尾身会長は、「うがい、手洗い、マスクなど個人で対策出来る範囲をすでに超えている」とコメントをされていました。
どれだけ、私たち介護従事者や医療関係者が外出もせず、様々な事を自粛したとしても一部の警戒心が低い人々によって感染拡大は広まっています。
今一度、コロナ対策を見直し、徹底する時期にきたと思います。

もうひとつ、感染症対策として気になることは、11月1日から、ビジネス目的での海外からの入国が、国限定ではありますが緩和されていることです。
評論家の皆さんは、連日GOTOキャンペーンの可否ついて、たくさん意見を述べられていますが、なぜかこの海外からの往来帰省緩和については触れたのを聞いた事がありません。
 
この時期、全世界でリモートワークが普及し、感染拡大を予防している政府として、ビジネス目的での入国の基準とはどのようなものなのか疑問です。
先日も関空で17人もの陽性反応が見つかりました。
仮に自国でPCR検査をしていたとしても、入国で何人かは陽性が出ているといった事例もありますから信用できるものではありません。
国内の感染者数増加の要因として、このような実態もマスコミは報道し、議論すべきなのではないでしょうか。

今回の新型コロナウイルスが、インフルエンザなどの感染症と大きく違うのは、経済危機がキーワードになっている事ではないでしょうか。
なかでも、私が特に注目するのは、急増している女性の自殺者の数です。
 
今年10月の自殺者数の速報は、2153人で去年と比べて39、9%の増加率、これは6月まで減少傾向にあったのから7月から増加に転じて、特に女性に関しては10月には82、6%の増加となっています。
去年の10月と比べてもおよそ2倍の数値にもなります。
 
これらの原因を、厚生労働省は、「新型コロナウイルスが影響した、育児の悩みや、家庭内のドメスティックバイオレンスの深刻化ではないか」と伝えていますが、現実は非正規雇用の失業や、職を失った事による生活困窮から、経済的に追い詰められた経済的な影響はその一因であると考えられます。

雇用調整助成金や失業給付など、まずは生活を成り立たせる支援を総動員し国民に対して、セーフティーネットがあることをきちんと広報すること、国民に対して有効性の高い資金を給付する仕組みづくりこそ政府として必要なものなのではないでしょうか。
 

全国民が新型コロナウイルス対策に取り組み続けて、精神的にも疲弊してきた頃に、政府が打ち出したGOTOキャンペーン。
賛否は別として、GOTOキャンペーンによって、国民の緊張が安堵に代わり、緩んでしまった事は否めないと思います。
11月27日現在、今回のGOTOトラベルでを利用した旅行者のうち、新型コロナウイルス感染者は202人、感染が確認された宿泊施設は38都道府県で130施設にも及ぶことがわかりました。
 
正直なところ、感染経路がはっきり検証できない以上、これが正確な数値であるかは憶測でしかありませんが、いずれにせよ「人が動けば感染が広がる」のは間違いないでしょう。
難しい判断ですが、現在は、出来る限り移動を制限し、休業を含めた出来る限りの対策をする以外は方法がないのではないでしょうが、感染者が医療現場になだれ込み、医療体制が崩壊、経済が共倒れするのが最悪のケースだと思います。私たち介護施設もその一因とならないようにあらためて危機感をもってこの冬を乗り越えなければなりません。

今週も何よりも健康で、また来週も皆さんとお会いできる事を心より楽しみにしています!
WELFARE,NO LIFE!