介護報酬、プラス改定で決着!

コラム

現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 

先週、私のもとへ速報で「来年の介護報酬改定がプラス0.7%で決着した!」との連絡がありました。
年末を迎えるにあたり、これ以上の朗報はなく、取りあえずは安堵の気持ちでいっぱいです。
 
この結果は、私たち全国老施協の常任理事である参議院議員そのだ修光議員を中心とした多くの関係議員が、菅総理大臣田村厚生労働大臣に対し、度重なる要請活動を行って下さった結果であった事は間違いありません。
 
過去のコラムでも幾度も触れてきましたが、今回の交渉は、財務省の対応が厳しく、特に、この報酬改定に関しては、非情ともとれるコメントが繰り返されてきました。
コロナ禍の中で、深刻さを増す人手不足、事業経営のなか、精神をすり減らして働いている施設関係者、現場の職員に対してなんとしても加算ではなく、基本報酬のプラス改定を勝ち取る!これが、全国老施協の最大の目的でありました。
皆さんの中には、「プラス改定といっても、今回の報酬改定は1%に満たない、わずか0.7%の微増ではないか」そういった声があるかもしれません。
 
しかし、私も政治家の経験から、一度マイナスになった予算編成は下がり続ける可能性が非常に高くなるのです。
 
今回の報酬改定でプラスを勝ち取ったという事は未来への可能性を勝ち取った事に他ならず、特に今回はコロナ禍で財政支出、そして現役世代の保険料と利用者の自己負担に跳ね返る事を理由に強い反発があった財務省との連日の折衝によって、プラス改定に決着した事は数字以上に大きな成果なのです。

介護報酬のプラス改定については、前回の0.54%に続いて連続の2回目、介護職員の賃上げに関する臨時改定を含めれば、4回連続のプラスになる事になります。
2017年、2018年、2019年、そして今回の2020年、連続してこのような改定に至れたのはどのような影響があったからでしょうか。
 
それは、この期間、私たち現場の声を代弁してくれる国会議員の存在があったからに他成りません。
別の言い方をすれば、この期間に介護現場の声を届けれくれる議員の存在が無ければ、私たちへの処遇改善も今回の報酬改定のプラスも実現しなかったのです。
 
私もコラムのなかでは、あえてあまりに政治に近い話は触れないようにしてきましたが、今回の報酬改定はあまりにもこの「(見えない)大きな力によるもの」による影響が強かったのが実感です。
介護現場への制度内容や大切な処遇や給与に関するものは、役人がつくっているものではなく、最終的には、私たち現場の声をいかに政治家が受取ってくれ、政策に組み込んでくれるかということなのです。

 
このことを是非介護現場の皆さんには知ってもらいたいのです。
これからは、介護業界以外にも、ロビー活動、政治力が強い団体、業界しか生き残れません。なぜならば、これからの人口減少のなかにおいて、税収は限られ、使える財源は決められてくるからです。
そうなると、業界的に多くの国会議員を輩出している団体にパワーバランスが偏るのは自明の理です。つまり、業界団体から多くの政治家を輩出している組織の影響協力が強くなるということです。
 
財務省からは、「現役世代の保険料、利用者の自己負担が跳ね返るためにプラス改定を望まない」そういったコメントがありましたが、そもそもその国民の皆様の最大のセーフティーネットである介護施設が、安定して機能しなくなってしまう事は財源以上に本末転倒ではないのでしょうか。

既に、世界視野では、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、日本でも半年後には接種可能の報道もされています。
冬場を超え、まだまだ介護施設での感染症対策との戦いは続きます。ワクチンについては、先日高齢者の次に、介護職への優先接種の方針が打ち出されましたが、介護施設への支援策、かかりまし経費や利用者と職員に対するPCR検査の拡充など、厳しい現実のなかで必要な施策を強い政治力で実現していかなければなりません。

昨今の厳しい状況のなかでの報酬改定は、さまざまな情報が流れるでしょうが、介護職、現場の代表としてただひとりの国会議員として、また、老施協の理事として、昼夜問わず、夜も休まずに財務省と折衝し、最終的には総理指示で決着した、そのだ修光先生の功績を忘れずにいたいものです。
私は全国老施協のいち理事として、その働きや情熱を近くで感じ、また一昨年の参議院議員の選挙でも肌身で感じてきました。
 
政治と介護の現場は、何よりも密接に関係しています。つまり、私たち現場の声が、議員を動かし、政治を動かしているのです。まさに「我が事」なのだと知ってほしく今回のコラムを書かせて頂きました。
とはいっても、利用者のためには、政治と現場が両輪で活躍しなくては、真の福祉を提供することは出来ません。これからも仕事に誇りをもち、利用者の幸せのために汗をかいていきましょう。