新たなフェーズへ

コラム

現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 

政府は12日、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言を、新たに栃木、岐阜、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の7府県再発令しました。
これで首都圏で感染拡大が続いている4都道府県と合わせて、私の住む栃木県も含み11都府県が緊急事態宣言下の状態となりました。
 
しかし、都市部での感染拡大は、まったく歯止めの兆しが見えず、特に東京においては緊急事態宣言の効果が全く感じられません。
栃木県宇都宮市内に居る感覚でも、最初の緊急事態宣言と比べて、人出の減少については限定的に感じており、このまま感染者数の抑え込みが出来るのかは大いに疑問に感じています。

まず昨年の緊急事態宣言の内容を振り返ってみると、政府は矢継ぎ早に緊急事態宣言とセットで、さまざまな支援策や給付策を打ち出し、徹底した外出抑制、休業要請、リモートワークの推進、国民に対しての補償などを一定程度示した思います。
これにより、一度は、抑え込みに成功したのではないでしょうか。

 
しかし、一年にもおよぶコロナ過の中で、既に、行動制限のかかる生活に耐えられなくなっている国民が、先の見通しの無いままに、緊急事態宣言を発令されても、理解は出来ても、現実的な問題として、動かざるを得ない状況なのではないでしょうか。
いま、国民が求めている事は、自宅で安心して待機できる生活保障、個人に対する給付金や補償を十分に支援すると共に、今後の見通しを含めて丁寧な説明を行った上での自粛要請ではないかと思います。

私たち、高齢者施設においては、今にも増してさらなる危機感が高まっています。
これまで、私たち高齢者施設は、医療施設へ感染者がなだれ込まない様に、必死に防波堤になってきました。
しかし、令和3年1月14日に出された厚生労働省からの通知では、「施設に入所している者を含め感染した場合には、原則入院としているところではあるが、これ以上医療への負荷が高まった場合においては、医師が判断した場合は宿泊療養としても差し支えない」「やむ得ず施設内での入所を継続する場合がある」など、私たちの施設で罹患した入所者を受け入れなければならない状況が、目の前に押し迫っているのです。
 
今回出されたこの通知で、改めて、私たち高齢者施設が、罹患した利用者の受け皿になる、高齢者施設は完全に新たなフェーズに移ったと感じました。

あらためて自分の施設は、罹患した、しかも重症化するリスクが高い高齢者の要請患者を受けいれる体制は万全なのか、自分ももう一度、再点検してみたいと思っています。
人員配置やゾーイングの確認、必要備品から、記録と万が一に新型コロナが出た場合を想定してホームページやご家族、ご利用者、関係機関への案内文の準備。
そして、想定される宿泊について、スペースと備蓄、ふとんなどの準備、何より職員の覚悟が必要になってきます。もちろん、職員を精神的に支え、覚悟を伝えるのは私たち施設長の仕事です。
 
私が勤務する施設の職員も、この一年間、皆本当に必死で感染予防・対策に取り組んできました。本当はもっと提供したい本来のサービスがあるでしょうが、感染症対策に日常生活から我慢と努力を重ねてくれている事に心から感謝しています。
この心意気は全国の高齢者施設で毎日行われていることで、介護現場の状況は、先にあげた医療現場のひっ迫した報道されているものよりも本当に深刻なもの、国民個人の補償と同時に、あわせて介護現場の実態や求められる支援策などを、私なりにしっかりと出来る立場で伝え、今後も取り組んでいきたいと思っています。

WELFARE,NO LIFE!