現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
いよいよ桜の季節となりました。本来であれば絶好の行楽シーズンでありますが、残念ながら安心してお花見を楽しめる状況ではなさそうです。
3月25日には、新たに1900人を超える新型コロナウイルス感染者を確認、山形、愛媛などにおいても過去最多を記録するなど、変異株の感染拡大も含めて第4波の恐れも出始めており、依然として収束のめどが立っていない状況です。
この一年間、新型コロナウイルスの国内感染拡大と共に、「高齢者の認知症の大幅な進行」と「介護施設で働く職員の疲弊」が大きな問題となっています。
新型コロナウイルス流行により、高齢者が地域や人との交流が乏しくなり、新しい生活様式への移行が困難であることも加わり、更には、介護サービスや各種相談などを含む生活支援にも支障が出ており、「認知症の症状が悪化」が一層深刻となっています。
認知症高齢者が増加した事により、家族の介護負担が確実に増加している事は、広島大学の研究成果でも明らかになっていますし、「入所系医療・介護施設の介護支援専門員への調査」では、「新型コロナウイルスが、約38%の高齢者に影響を与えている」と介護支援専門員が返答しており、それに伴い「72.6%の家族が、介護保険サービスが受けられなくなって、家族が介護のために仕事を休んだり、介護負担が増加した」と答えています。
認知症の進行と同時に、いま増加が心配されているのが高齢者の「うつ病」です。
かねてから高齢者のうつ病の症状は認知症の症状と班別がつきにくいとされてきましたが、特に高齢者のうつ病は認知症のような症状で、めまいや立ちくらみ、食欲の低下、発汗が多くなり、同時に必要以上のいらだちや不安感にかられたり、感情が不安定になるなどの症状が認められています。
医療からのアプローチでは、治療薬を慎重に投与をしながら回復に向けるなどの方法が考えられていますが、私たち介護従事者にやるべきアプローチは「高齢者の今の生活環境を改善する事」にあると思います。
コロナによって孤立した地域の高齢者の孤立感を和らげ、感染症対策をしたなかで在宅サービスを進め、高齢者が人との関わりを増やしていく事のお手伝いをする事が、今まで以上に大切な使命だと感じています。
「介護施設で働く職員の疲弊」も心配されています。
厚生労働省では24日に、新型コロナウイルスの影響でストレスを増し、疲弊した職員に対して、「サポートガイド」を公式サイトに掲載しました。
サポートガイドの内容は、「メンタルヘルスの不調を未然に防ぐポイント」や「現場で行うべき対策」などを盛り込んだ内容となっています。
ガイドのなかでは、不調のサイン(遅刻、欠席の増加、対人関係のトラブル増加、仕事への集中力の低下、身だしなみ、気持ちの不安定など)を出している職員を管理者や周囲の人間が見逃してしまった場合、業務効率の低下ばかりか、離職や休職に繋がること、さらに職員のうつ病の発症にも繋がる事が取り上げられています。
職員のメンタルヘルス不調の悪化を防ぐためには、まず管理者が、セルフケアの重要性を確認し、「職員に説明、相談しやすい環境をつくる事」、その職員の「普段との違い」に気付いてあげる事が特に重要とされています。
また、職員自身の「セルフケアの基本」として、自分自身の症状に気付く事、例えば、手法として朝礼や終礼の機会や会議の時にも、管理者がメンタルヘルスの重要性を話題に挙げ、職員の関心を高める事も書かれています。
なかでも、新型コロナウイルスが蔓延する現在、「介護施設の職員にとって、何が仕事を続けるにあたって不安やストレスを軽減できていますか」のアンケートでは、第一位が「職場の同僚との普段の何気ない会話」が57.1%、第二位が「利用者や利用者家族からの理解・感謝の言葉」36.6%となっています。
このアンケート結果から、このコロナ過のなか、一番ストレスを緩和できるのは「同じ境遇のなかで、理解し合える同僚との会話」「家族や知人などからの感謝の気持ちがとても大切」だという事がわかりました。
心と身体は一体です、施設で働いて職員一人ひとりは、同じ目標に向かって戦っている同志であり仲間。そして介護従事者の置かれている環境は皆同じで、どの職員も皆決して孤独ではありません。
まずは身近にいる同僚、地域と連携して、身近なメンタルヘルス不調の早期発見に繋げ、脱コロナに向けて一緒に頑張りましょう!いよいよ新年度、暖かくなって来ました、皆さんの健康を心より願っています!
WELFARE,NO LIFE!