現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
いよいよ新年度を迎え、「データベースLIFE」や「科学的介護の本格運用」と活用が始まりました。
将来に向けた本格的な運用を目指してとはいえ、今回のデータベースを活用した介護の推進については、画期的かつ、革新的な動きで、政府としては大幅に舵をきったなという印象です。
まだまだ、ICTや介護関係ロボットなどは、完全に普及しきれていない印象はありますし、見切り発車的な側面も感じられますが、これから限られた職員数のなかで、財源を鑑みつつ、効率的かつ効果的な介護を日本で行っていくには、必要な大きな一歩であったと思います。
財源については、いよいよ、財務省の財政制度等審議会が7日にスタートしました。
テーマは言わずもがな、私たちに関係する「医療や介護など社会保障の費用をどう抑制していくか」になると思います。そして、政府が夏頃に打ち出す「骨太の方針」の骨格になるものでしょう。
経団連前会長榊原氏は、この第一目の会見で、「段階の世代が後期高齢者になることを踏まえれば、経済攻防の転換による生産性の向上、社会保障の受益と負担のアンバランス是正がますます重要になる、構造的な課題にしっかり切り込む」と発言しました。
介護業界としては、ますます厳しい財政、運営状況、またとるべき加算や今回のようなデータベースを活用した「見える化」の動きで、介護現場の働きぶりをしっかりと示していく必要があるでしょう。
そして、これらの最終決定には、政治の力が大きく左右されることを私たちは理解しなくてはいけません。
しかし、「それは素晴らしい!」とわかっていても実現できないケースはいくつもあります。
例えば「地域包括ケアシステム」、住み慣れた地域で最後まで幸せに暮らすためにどのような地域づくりをしていかなければいけないのか、様々な地域の資源とつながりをも持ち、お互いにサポートをし合いながら、協力体制を構築する。今まで政府だけでなく、私が地元宇都宮市で議員をやっていた頃も市役所のなかで多くの議論をしてきた内容です。
地域包括ケアシステムの抱える課題は主に三つでした。
1つは「地域ごとに格差がある」こと。
地域包括ケアシステムの大きな特徴のひとつは、サービスの主体を国から自治体に移行したという点。しかし、この自治体が財源や人的資源、地域の活力はその場所ごとに大きな差が生じてしまいます。
2つ目に「担い手不足」であること。
このシステムでは住民同士の助け合い、つまり「互助」が重視されていますが、現代の日本では核家族化や地域のコミュニティ力が失われている地域も多く存在しています。
そして、3つ目に「医療と介護の連携」です。
元氣な高齢者であったとしても、いつまでも安心して暮らせる地域の体制づくりには医療と介護サービスの協力体制が必要ですが、いまだこの連携体制が確立されている自治体は多くは有りません。
今回の「データベースを活用した科学的介護」もまさに「それは素晴らしい!」内容です。
しかし、これをしっかりとレールに乗せていくには、私たち介護現場にとっては現実的に見れば非常に大変なことでしょう。
制度の理解とまずは職員に今までの業務以上の負担と浸透が必要になります。
システムの導入からスタート、すべてゼロからなので、手探りになってしまうのは否めないと面ます。
実際にこのデータベース活用した科学的介護がうまくいくかどうか、浸透させて、加算以上にその労力に見合った私たちに見返りがあるのかどうか、不安を持つ施設が大半ではないでしょうか。
ただ、先に挙げた地域包括システムの実現が「各地域、自治体の事情」にあるのであれば、今回導入によって、その事情を解決するのはその「施設、事業所」という事になります。
新しくスタートする認知症介護実践研修と共に、現場の専門性をより高めること、そしてデータとして国民に、高齢者の介護度改善の「見える化」が実現すれば、私たち介護職の社会的価値と評価を高める事にもつながるはずです。
とはいえ、いずれの施設でも、いきなりアクセルを踏む事は難しいと思います。
従来の業務の質が下がってしまわないように、団塊的に浸透をしていきながら無理のない様にこれらかそれらに対応したシステムやソフトなどが有るかどうか、しっかりとアンテナを張りながら準備を進めていけばいいと思います。
大切なのは、このデータベースの活用や科学的介護が「それ自体が目的にならない様にする事」、目的は、あくまでも利用されている方の幸せの実現にどうこれらデータベースとシステムを運用、活用ていくかという事だと思います。
これから様々なツールが登場して、介護は大きく変わっていくでしょう。しかし、私たちの仕事は「どこを向いているのか」私たちはそこを常に見失ってはいけないと感じています。
WELFARE,NO LIFE!