障がい者雇用について

コラム

現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 
今年ももう6月。梅雨の時期に差し掛かってきましたが、皆さんお元気でしょうか。
5月11日には九州が梅雨入りし、過去、最も早いスピードで、全国各地で梅雨入りすると報道されています。
気象庁はこの先1ヵ月、雨と共に強い「暑さ」が襲ってくると想定されていることから、外せる時はマスクを外す早めの水分摂取など、熱中症予防や体調管理への警告をしています。
皆さんも、健康管理には充分ご留意ください。

さて今日は、「障がい者雇用」に関するコラムを書かせてもらおうと思います。
 
障がい者雇用は、これまで「本人の自立や社会参加のための重要な柱」として進められ、「障がい者がその適正に応じて、能力を十分に発揮して働いてもらえるような環境づくり」に取り組まれてきました。
近年、障がい者雇用の関係法で注目するのは、平成28年の事業主に対する「障がい者に対する差別の禁止・合理的配慮を義務化」、平成30年の「精神障がい者についての雇用の義務化」等でしょうか。
 
平成29年度厚生労働省職業安定局の資料ではありますが、国内障がい者の総数は約858万人となっており、このうち特に就労が期待される18歳から65歳未満の在宅者は355万人と言われています。
 
民間の雇用状況は、13年連続で過去最高を更新し、障がい者雇用は着実に進展しています。
ハローワークにおける障がい者の就職状況を調べてみるとその内訳は、平成28年度で精神障がい者が全体の44.4%、次いで身体障がい者が28.9%知的障がい者が21.8%その他4.9%となってます。
 
特に精神障がい者については、平成18年度の内訳が15.3%だった事を考えると大きな伸び率と言えます。

一方で、定着率に注目してみると、知的障がい者や発達障がい者などが比較的安定しているのに対して、精神障がい者の「定着が困難なケースが多い」ことが指摘されています。
 
障がい者の定着、もしくは、事業所における継続雇用の課題となっている要因はどのようなものがあるのでしょうか。
離職の理由は、それぞれ、以下のようなものが挙げられています。
 

障がい者の私的な理由
「職場の雰囲気・人間関係」、「疲れやすく体力や意欲が続かない」、「家庭の事情」、「症状の悪化」
 
職場の要因
「能力に応じた評価がされない」、「調子が悪い時に休みが取れない」、「コミュニケーションの支援が充分でない」、「短時間勤務への理解」や「能力の発揮できる適正な配置不足」

 
つまり重要なのは、職場の「雰囲気」や「人間関係」であることが読み取れます。
あくまでも、個人の感想ではありますが、障がい者の定着で成果をあげている企業に共通するものは、就労をしている障がい者の「人としての理解」を大切に業務管理を行っていることだと感じます。
逆に、定着率が高くない企業や事業者では、職員の個性や特性よりも、あくまで仕事としての「作業効率の良さ」に重きをおいて業務管理を行っていることだと感じます。
 
私の施設でも精神障がい者の雇用をおこなっていますが、当初、ハローワークとの相談や協議を行いながら進めてきたものの、現場職員としての浸透の難しさを感じました。
とにかく「あわてないこと」、「仕事を任せて、自分の力で達成できるまで、あせらずゆっくりと見守ること」が職員の定着率を向上される上では、重要と考えており、これは、障がい者に限ったことではなく、新規雇用した職員全員に言えることだとも思っています。
 
障がい者雇用の幅を広げる事は社会福祉施設としても大きな成長だと思っていますし、私の施設でも、障がい者の方と同様に施設として「雇用の自信」をつけていければなと思っています。

WELFARE,NO LIFE
 
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