オミクロン株からためされるモラル

コラム

現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 
ここ最近、寒くなってきましたね。
先週は不覚にも風邪をひいてしまい38度近くの熱を出してしまいましたが、無事に回復することが出来ました。
 
普段あまり体調を崩すことも、熱を出すこともないのですが、一年の疲れがたまっていたのかもしれません。
38度近くの熱を出したのは二年前の参議院選挙で全国を回っている際、佐賀県のホテルで高熱を出した時以来でした。
急いで医療機関に飛び込んだのですが肺炎一歩手前、「とにかく安静」にと言われましたが、寝ている訳にはいかず、結局全国行脚を続けることにしました。
あとは気合で…という感じで乗り切りましたが、今振り返るとかなり無茶なことをしていたなと思ってしまいます。

さて、皆さんも周知のとおり、オミクロン株が徐々に国内にも入り込んできました。
既に、感染確認は50人、先日は沖縄の米軍基地で99人のクラスター、そのうち日本人ひとりがオミクロン株が確認されました。
 
名古屋工業大学はこれからの感染状況について、AIでこのオミクロン株が年末年始に影響を与えた場合、東京の感染者数は来月末に3000人を超える恐れがあるとの計算結果を打ち出しました。
 
オミクロン株の感染者増加いくつかのニュースを見てみると、まず問われるのはそのモラルです。
今回日本政府は前例を教訓に、特に空港での外国人入国者及び帰国者の水際対策を徹底した対策を取りました。
各国からは「やり過ぎではないか」などの批判などもあったと聞いていますが、危機対策、感染予防の観点から見れば「大きく構えて小さく収める」というのは大前提であり、多少大袈裟であったとしても万全の準備で備えるという意味では、日本政府が取ったこの決断は正しい決断であったと思っています。

ただ残念なのが、帰国者のうちに濃厚接触者であるにも関わらずスポーツ観戦に出かけてしまったり、濃厚接触者であるにも関わらず自粛せずに外出もしくは申告をしなかったりと一部の帰国者のなかにモラルの欠如が見られることは残念なことです。
特にこのスポーツ感染に行っていたこの濃厚接触者の男性の周囲には約80人もの観客がおり、会場全体では1万7000人以上が観戦しており、この行為によってこの会場で大型のクラスターが起きてしまっていてもなんら不思議ではありません。
どれだけ政府が水際対策を強化したとしても、三回目のブースター接種を進めたとしても、一部のルール無視のモラルの欠如によってせっかく保ってきた国内の感染抑制が崩壊して、感染拡大がその場所から爆発的に起こってしまう危険があるのです。

オミクロン株は、人への感染力はデルタ株より高いと見られています。
ワクチンへの効果を弱める免疫逃避もあるとも言われています。
世界では日本人の新型コロナウイルス患者の重傷者や死亡者が欧米に比べて少ない理由について「遺伝性Ⅹファクター」について注目を集め、理化学研究所からも特集で発表されました。
そのなかで「世界で最も高齢者率の高い国が重症、死亡率の低さで先進国七か国中、他を圧倒している」としています。
この発表のなかでは、日本人に多い特定の免疫タイプが要因のひとつと解説しています。
 
抗体の要因が国内の重傷者、死亡率に関係しているとは思います。
しかし、それ以前にここまで感染者の拡大を抑制しているのは、日本人の危機意識に対する勤勉性や、マスクやソーシャルディスタンスを真面目に確保し、社会行動を守ってきたことこそ感染を減少させた最も評価される部分であると思っています。

この2年近く、新型コロナウイルスが社会に与えたストレスは重大なものであると思います。
その跳ね返りとして最近は経済活動が以前に増して活発になっているのも理解できます。
 
大切なのは確実に前に進みながらも、必要な時にはきちんとブレーキを踏むこと。
危ないと思った時には、よく周りを確認して徐行すること。
社会全体で決められたルールを忠実に守り、目的地にたどり着くことです。

 
つまり、車の運転と同じです。
 
以前、コラムに書いた通り、希望は見えてきました。
しかし、その目的地にたどり着くまではまだもう少しだけ時間がかかると思っています。
自分ひとりの意識の低下で、職場、家族、社会全体が危険にさらされない様に、もう一度自分自身の「緩み」に気を付けて感染対策、予防に努めたいと思っています。
WELFARE,NO LIFE
 
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