現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
今年も残すところあと一週間となりました。
このコラムもお陰様で167回を数え、お付き合い頂いている皆様、介護、福祉に関心を持って頂いている皆様には心から感謝を申し上げます。
コラムでは、私の施設長という立場と、全国や県の老人福祉施設協議会など施設以外での活動のなかで様々な経験をさせて頂いてる「これは皆さんにはお知らせしておこう」というものを毎週ピックアップして、時には政治や国の政策に関係するものなども書かせて頂いてきました。
誰しも忙しい日常を送っていますから、いまの社会に溢れるすべての情報を網羅することは難しいことではあります。
こうした情報のなかでも特に「要点を知っている」だけでも、日常のモノの見方、視点が変わって来るものだと思います。
その情報に少しでも意識が向くだけでも、その先の行動に大きな影響があると思ってこのコラムを発信して参りました。
世に溢れている情報に関しては不確かなものも数多くあります。
その情報が果たして正しい情報なのか、信じていいい情報なのかは自分自身で判断しなければなりません。
特にこの二年間、国内外において最も関心が高かった新型コロナウイルス関連の情報は、日常生活や健康を守るうえで何より役に立つ反面、正しくない情報に振り回され、偏見や差別の原因となることもありました。
私たちはもっと政府やマスコミが報道する内容に「どのような真意があるのか」、「なにを伝えようとしているのか」、「これは誹謗中傷だ」と内容を正しく判断して取捨選択していかなければなりません。
すべて疑う必要はありませんが、政府やマスコミがその情報を「公開」に至る、という事は決して簡単な経緯ではありません。
民放や報道というものにはいくつかの様々な力も働いており、視聴率や各方面の利益にも繋がる内容も含まれてくるのでこういった情報を丸ごと鵜呑みにするのは考え物ですし、当然私たちもネットへの書き込み、閲覧などには充分注意したいものです。
私が今年一年を振り返って感じることは、もちろん新型コロナウイルスに関連することには間違いないのですが、こういった世論を形作っている情報や背景というものに対して、自分自身が「考える力」に前にも増して磨きをかけないと思った事です。ですから、これからの時代は特に、本当に知りたい内容については多面的に情報収集して判断することが必要だと思うのです。
そしてもう一つ振り返ると「人との関わり合いの大切さ」に、全国民があらためて思い知った一年間でもあったのではないでしょうか。
緊急事態宣言後、私たちはリモートや何かしらツールを使って仕事だけでなく、「人との関わり合い、温もり」を求めてお互いに手の伸ばし続けてきた一年だったような気がします。
私たちにとっては施設での面会制限などが特にその例ですが、なかでも現在は、コロナの影響で全国で高齢者が集まる、いわゆる地域の「集いの場」がなくなってきている、「集えなくなっている」とう現状が深刻となっています。
この状況は、当然地域の高齢者の皆さん、本人の認知症や状態の低下に繋がるばかりか、これからの高齢者参画の地域づくりの活性化に大きなマイナスになると感じています。
今後、新型コロナウイルスのワクチンや治療薬開発は勿論重要なことですが、二年間で停滞してしまった地域の「集いの場」の息を再び吹き返すことが、これからの日本を地域の現場から立て直すためのコロナ復興のキーパーソンになると思います。
では、この大切な「情報」と「人との関わり」、その高齢者や介護が必要とされる方々との間に入る重要な役割を担うのは誰でしょうか。
言うまでもなくそれは私たち介護、福祉従事者の役割でしょう。来年からこそが私たちエッシェンシャルワーカーの真の出番だと思うのです。
いま溢れる情報も高齢者にとってはその情報が正しいのか、間違った情報なのかを正確に判断するのが難しいケースも多いでしょう。
必要な情報を解りやすく、利益ある情報を正しく伝える事が出来るのは私たちの仕事ですし、コロナで元気がなくなった地域を再生、元気にさせる、高齢者の繋がりの機会をつくり、地域にもう一度コロナ前の笑顔を取り戻す。
コロナで傷ついた地域を元の正しい日常に戻していく、それも私たち介護、福祉従事者がやらなければならない仕事の大切な一部だと思っています。
今年も振り返ればとても大変な一年でした。
しかし、確実に日本は新型コロナウイルスの免疫力をつけ前進していると感じていますし、医療従事者や私たちの日頃の努力によって、感染症は以前よりも抑え込まれ重傷者も減少しているのも事実です。
国内でもオミクロン株の第6波も懸念されていますが、引き続き気を抜かず私たちは今まで実践してきた事に自信をもって健康管理に留意すれば、来年は皆様とより良い新年を迎えられると私は信じています。
あらためまして一年間、このコラムにお付き合い頂きました皆様には心より感謝申し上げます。
どうか良いお年をお迎えください。
WELFARE,NO LIFE!
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