現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
全国的なオミクロン株の蔓延が続いています。施設関係者でも影響がなかった人を見つけるのが難しいほどで、本当にコロナが身近な存在になりました。
新型コロンウイルスが施設に与えた影響とはどのようなものが挙げられるでしょうか、運営、雇用、働き方、業務負担…私たちは本当に二年前と比べて様々な変化を求められていると思います。
なかでも私はずっと職員のストレスケアの重要性について関心をもっていました。
いえ、持っていたというより、むしろ危機感を抱いていました。
もともと私たちの介護や福祉といった仕事は、ただでさえストレスにさらされている仕事であります。
それは「自覚がある」場合と「無自覚」の場合とがあるとは思いますが、特にこの「無自覚」であった場合は介護スタッフに、「無自覚のまま」思った以上の精神的、身体的負担がかかってくるでしょう。
これはとても恐ろしい事です。
エッシェンシャルワーカーとして私たちは、社会に欠かせない職種として2年前にも増して大きな責任をもって日頃の生活を送っています。
介護スタッフにかかるストレスやプレッシャーは他の仕事と比較にならないほど大きいのです。
万が一、そのストレスやプレッシャーが万が一、あってはなりませんが、万が一利用者への「虐待」などに向いてはならない。
これは私も含めて全国の施設長の心配ごとでもあるでしょう。
その解決のために今まで私は施設内でのスタッフとの個人面談や聞き取りなどを行ってきました。
しかし、コロナ禍のなかでなんとなく利用者様とスタッフの間での声掛けが少なくなっているのではないかとの疑問が芽生え、昨年末に開催される予定であった「栃木県高齢者権利擁護推進員養成研修」に応募させて頂きました。
まずスタッフに対して私自身が権利擁護に対して学ばなければと思いましたし、何より施設長としての立場で、あらためてスタッフの「言葉づかい」の重要性と、「権利擁護」や「虐待行為」に対する知識を深め、はっきりと方針を打ち出したかったからです。
11月15日からオンラインでスタートしたこの研修は、全部で7回の研修内容に分かれ、職場内での実習企画書を作成して実際に8週間にわたって実習を行います。
修了は今月の2月28日になりますが、実習期間中、私は特養のユニットのひとつを対象として「言葉づかい」なかでも「スピーチロック対策」について実習を行って参りました。
「スピーチロック」とは、「言葉によって利用者様の行動を抑制してしまう」ことを言いますが、例を挙げますと現場が忙しい場合などにおいて「つい」、「うっかり」した場合にこのスピーチロックである「ちょっと待って!」などの言葉が出てしまうものです。
「ちょっと待って!」が「なぜ抑制なんですか」とスタッフから聞かれた事もありましたが、「ちょっと待って」と声を掛けられたご利用者は「何分待てばいいのか」わかりません。
結果的にそれが抑制に繋がり、これが長く続くことで少しずつご利用者の意欲をそいでしまう事にも繋がってしまうのです。
解決法としては、「あと10分で伺いますね」など、その言葉に置き換えられる「言い換え言葉」を使う事が有効ですが、こういった言葉は先にも挙げましたが、解っていても「つい」、「うっかり」使ってしまうものです。
ですから、私の施設では今後この「言い換え言葉」の表をスタッフと一緒に作成し、職員との関係性を深めていこうと思いました。
実習期間を終え、スタッフからは「ご利用者の表情が変わった」、「笑顔で話してくれる機会が増えた」「以前よりも私を頼ってくれるようになった」などの振り返りがありました。
そして、以前より「こうした方がいいのではないか」などの積極的な意見も聞かれるようになり、「知識不足で正しい対応ができなかった事は、自分にとってもストレスになっていた」などの声が聞かれるようになりました。
28日に最終日を迎える今回の実習ですが、この度、私がこの栃木県・高齢者権利擁護推進員養成研修の発表者に選ばれまして、今このコラムと並行して発表資料をつくっているところです。
内容についてはまたコラムで書かせてもらいたいと思いますが、全力で頑張りたいと思いますので応援よろしくお願いします!
WELFARE,NO LIFE!
★かくた充由は、福祉と介護の専門職を応援しています!⇒