現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
9月1日、ようやく私の施設での新型コロナウイルスのクラスターが収束したと感じています。
今まで私の施設でも、数回スタッフやご利用者さまの陽性確認が判明し、そのたび保健所との対応を繰り返し乗り切ってきましたが、今回は初のクラスターとなり、それが要因となった人手不足などかなり厳しい状況が続いた三週間でした。
この間、無理を承知でシフトに入ってくれたスタッフには心から感謝をしますし、各方面から様々な支援を頂いたことに本当に有り難く感じております。
これと合わせるようにというわけではありませんが、厚生労働省は8月31日、全国の高齢者施設でこれまで発生した新型コロナウイルスのクラスター件数について公表しました。
それによるとそれまで直近1週間では844件で、若干の減少が見られるものの全国においてもこのクラスター件数は過去最悪のレベルが続いているとしています。
今まで政府は全国の高齢者施設へ、これらの支援策として「掛り増し経費」などを活用してきましたが、これら掛り増し、つまり「通常より増して掛かる何か(経費)」、例えば新型コロナウイルス対策であれば、感染対策に使用した消毒やマスク、医療機関で本来看てもらうべきご利用者さまを施設で対応する際の費用など、その運用はさまざまです。
考え方としては、昨今、この「通常より増して掛かる経費」については、私たち高齢者施設では、ウクライナ情勢をめぐる光熱費や食料費などの急激な高騰ももちろん含まれていると思います。
施設においてもその電気料金については約1.7 倍前後などとの話も聞きますし、給食を委託している施設では、その委託費の増加など、とてもこのままでは施設の経営努力のみではとても今後、継続的に運営していく事が困難な状況となっていることは間違いありません。
これらの要望については私の所属している全国老人福祉施設協議会だけではなく、各16種団体が厚生労働省に要望書を提出
し、ただでさえコロナ禍のなかで利用控えや出費が続いている高齢者施設に対して厳しい現状が続いているとしています。
この要望書については、既存の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などの積み残し、追加交付、またこれらを財源とした支援策の実施を要望しました。
また、国が各全国の自治体に対して支援を強く促すように求めました。これらの要望が総理に届き、政府が具体的に実現に動いてくれるかはわかりませんが、現在先の参議院選挙で唯一の介護の代表を失った私たちの業界としては強く押し込むことが出来ない事が非常に歯がゆく思います。
いま新型コロナウイルスについては、今後もどれくらい付き合いが長くなるかは正直不透明ですし、新しいワクチンがまた支給されるにしても変異を続けるウイルスに対して、どこまでイタチごっこになってしまうかは神のみぞ知るところで、更に今後いつどのような自然災害が施設を襲うかもわかりません。
政治にも頼れず、また、このようなウイルスや社会情勢に翻弄されるなかで、全国の高齢者施設は継続的に施設や地域、ご利用者を守るために「独自の新しい道」
を探さなければなりません。
もちろんこの応えについては、はっきりとお答えすることは出来ませんし、その施設の運営状況、規模、地域特性などもあると思います。
しかも政府では社会福祉法人同士の協働化など施設の生き残りについて具体例や提案もされていますが、話題には上がっても、今この協働化が「素晴らしい!」と手を挙げる理事長、施設長とは未だ私はお会いした事がありません。
今後の三年間は総理が解散を持ち出さなければ、自由にさまざまな政策が決定できる正に黄金の3年間に突入しています。
そしてその期間のなかに社会保障費の渦中である私たちの介護報酬改定も当然含まれているのです。
しかし、私たち介護従事者にとって、危機的な状況のなかでこそ生まれるものもあると思っています。
それは政治意識かも、運営意識かも、現場の価値観かもしれません。
「新しい道を探る」今は正にそのような時なのかもしれません。
WELFARE,NO LIFE!
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