介護に必要な資質とは?

コラム

現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 
夜には肌寒さを感じる季節になりました。
新型コロナウイルスは第7波は少しずつ落ち着きは見せてきているものの全国の介護現場では厳しい状況が続いています。
このまま冬場に突入すると季節性インフルエンザとの同時流行も懸念され、引き続き警戒が必要となるでしょう。
 
さて、このコラムも書き始めて約3年程度になりますが、そのほとんどの読者の方は介護福祉に関心がある方が中心ではないかと思っています。
介護従事者の方も当然いらっしゃることでしょう。

私はかなり前のコラムで、介護の仕事というのは、ご家族、ご利用者から多くの資質を求められるだけでなく、実際、現場で働いている皆さんは他の産業と比べても、非常に高いレベルのスキルをもって仕事をしていると書きました。
 
事実、介護とは質の高い仕事であると思っています。

今回は、介護の仕事というのはどのような方が向いているか、その資質について私なりに考えてみたいと思います。


まず、介護に向いているタイプ。
それはご利用者さまに対して「思いやりがある」ことでしょう。
 
どんな利用者さま、家族さまに対しても相手の気持ちに寄り添い、状況や気持ちを考えてサービスを提供すること、そしてその仕事に対して働きがいをもって楽しめる人。
そんな人は間違いなく介護や福祉の仕事に向いているでしょう。
 
逆に、利用者さまや家族さま、さらに一緒に働くスタッフと協調せず、気配りができない、相手の気持ちを考えない人間は思いやりや気配りの精神を意識しなくてはならないと思います。
あくまで自分でペースではなく、相手のペースに合わせて仕事ができるという事がとても大きな資質であると思います。

次に、「コミュニケーション力がある」ことが重要な資質であると思っています。
 
介護は先に挙げたように思いやりを言葉にして話をする仕事でもありますが、聞く力がそれ以上に求められる仕事です。
利用者さまや家族さまに、些細な事でも相談してもらえるように話しやすい環境をつくり、「感じの良い」スタッフにならなければなりません。

何でも相談しやすい、どんな事であっても話しやすい人という印象がより良いサービスを提供する事で出来るのだと思っています。

また、相手を観察する力、「観察力、洞察力」も必要だと思います。
どれだけ日頃の生活のなかでご利用者さまの状況が変化しているか、健康や精神面、それらを見落とさずに小さなサインを見逃さない事は利用者さまのちょっとした予防や認知症の対応にも繋がるものだと思います。

最後に重要なことは、「精神面の強さ」があると思っています。
 
介護の仕事は基本的に「人と関わる仕事」です。
しかも、その利用者さまの一番大切な人生のクライマックスを見守るとても大切な仕事でもあります。
それだけその利用者さまに対応する責任や業務、仕事として介護スタッフは大きなストレスもあることも承知されています。
体力ももちろん、精神面での切り替えや自分自身のコントロールが上手に出来る人間がストレスをため過ぎず、介護の仕事をやりがいに転化できるものと思っています。
 
一方で、これは介護の仕事で「改善しなくてはならないだろう」スタッフの資質についても触れたいと思います。
まず、「責任感がない」こと。
介護は施設や事業所、またはユニットでチームで仕事をすることが多く、自分自身だけでなく、周りのスタッフにも気を配り、責任を持って行動することが求められるでしょう。
個人のスタンドプレーが目立ってしまったりするとスタッフ同士の人間関係にも影響し、しいてはご利用者さまへのサービスの質の低下に繋がるでしょう。
ひとり1人の行動がその事業所の環境改善にも大きな意味をもっています。
そして決して短気にならず、どんな状況でも広い気持ちで受け止める忍耐力もとても大切だと思っています。

介護の仕事は多くのスキルが求められる仕事なのは間違いありません。
そこに機能訓練やこれからICTやAIなどのテクノロジーも導入され、さらにこれからサービスは多様化していくでしょう。
しかし、それらを使いこなすのは現場の介護スタッフの資質です。
 
利用者さまの望む目標を実現していく手段は械やモノやロボットではありません。
働くスタッフの「思いやり」「コミュニケーション」、その人を知ろうとする「極めて人間らしさ」こそが介護サービスの本質なのだと思います。
 
忙しいと人間はどうしても意識が内側に向きがちで利己的になりがちですが、ふと顔をあげて自分の意識がきちんと外側、相手に向いているか考える時間をきちんと作ることも大切なことだと私は思っています。
WELFARE,NO LIFE!
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