現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
6月に入り、早いもので年の半分が消化したことになります。
6月は各施設で理事会や評議員が行われる事が多い時期でもあり、理事長はじめ施設長、管理者にとっては忙しい時期でもあるのではないでしょうか。
さて、6月といえば骨太の方針と相まって、現場としてみればこれからの時期は、ご利用者の水分接種と室温管理、給食においては食中毒など、衛生面にも注意を向ける時期だと思います。
一方で、私たち施設長としてみればやはり気になるのは、高騰しているエネルギー問題、つまりは電力の供給についてです。
原価高騰による給食費への影響もさることながら電力の供給の需要が高くなる夏に向けて、節電とご利用者さまの体調を守るための温度設定を十分に管理、配慮する必要があるでしょう。
電力供給については、全国的に新型コロナウイルスが落ち着きをみせている今、経済の影響力にも大きく影響すると思います。
新型コロナウイルスについては、今月はじめの5類への移行のあとには、あきらかに街への人流が増加し、経済が活性化する傾向が見え始めました。
タイミングで政府が節電要請を徹底し、強めてしまった場合は、いま堰を切ったように動き始めた景気回復へのマイナス面も懸念されるところです。
私たちの介護業界はご利用者の健康と命を守るため電気の使い方を考えなければなりませんし、社会的にはこれからの景気回復を後押しするため、節電ももちろん大切ではありますが、電力供給ひっ迫による電力使用の抑制がさまざまな分野で悪影響にならないように安定した電力供給体制と整える事と、もちろん私たち施設も節電と必要な電力消費のバランスを考えるべきでしょう。
電力供給と同じように、私たちの施設や生活に大きな影響を与えているのが、原価高騰です。
皆さんもニュースなどで各企業が立て続けに値上げに踏み切っていることは耳にしていると思いますが、私たち施設でのご利用者への食事提供でも大きな影響が及んでいます。
私の施設は給食は委託会社にお願いしているところですが、幾度か原価高騰による委託費の値上げを強いられているところです。
国や県、市において補助金などで対応してくれている部分もありますが、来年の報酬改定を前に、上がり続ける電気料金と共に懸念される部分でもあります。
食事については、もちろん私たちだけでなく、多くの外食産業も苦しんでいます。
私たちと同じようにもはや企業努力だけでは太刀打ちできない原価高騰となってきているため、これからさらに2段階、3段階と値上げをせざる得ない企業も増えてくるはずです。
一方で、これらの物価上昇にともない、消費者や私たち国民のさまざまなものに対する眼も厳しくなってきている感じがします。
もちろんお金を使う際の財布の紐も一層きつくなるでしょうし、こうした状況下においては、ものを買うとき、外食をするとき、そして様々なサービスを受ける場合においても心理的にさらなる商品力や接客力などの企業努力が求められてくると思います。
今までは新型コロナウイルスの影響によって外食産業は厳しい状況を突き付けられてきましたが、これからはこれら原価高騰により、さらなる企業努力とサービスに関わる競争が発生してくるのは間違いありません。
そして、それはもちろん外食産業だけに当てはまらず、私たちの介護施設においても同じように言えることでもあります。
電力供給、原価高騰、人材不足に悩みながらも、介護の質、接遇、これからの施設での企画力を同時に高めていかなくては、たちまちその施設は選ばれない施設となってしまうでしょう。
今、選んで頂いているご利用者であったとしても施設離れが進んでしまうかもしれません。
そういった危機感を感じながらも、各施設の本質的な力が試される時期が訪れているのだと感じています。
サービスという面では、全産業も外食業も私たち介護従事者も変わりはありません。
これからは、そのお客様となる層も一気に世代が変わり、団塊の世代と言われる競争と高度経済成長期を過ごしてこられた、活発な、今のご利用者とまた別の価値観をお持ちの方々がお客様になることになります。
今までの戦後を我慢、我慢で乗り切られてきた言葉数が少ないご利用者さまとは対応の仕方が間違いなく変わってくると思いますし、私たち介護従事者は、これらの新しいご利用者さまの価値観に備えるため、いまから電力供給や原価高騰と同じように今から対策と準備をしておく必要があると考えています。