ストレスとは向き合う?発散する?

コラム

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走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 
私たちにとって一番大切なのは心身の健康ですが、特に介護や福祉の仕事に従事している人間は、ご利用者へのサービスやご家族との対応など日々、様々と神経を使う点があるの事は多いでしょう。
これに加えて、上司と部下、同じ職場での人間関係のなかに関しても気を使う部分は多くあり、対人関係で精神的な負担は増加しがちな職場でもあります。
 
ストレスケアに対しては、現在も厚生労働省でもストレスチェックなどにより働いているスタッフに対して状況の把握と支援を行うように指導がされているところであり、新型コロナウイルスによる不安、また物価高騰、電気料金の値上げなど、身近な日常生活のなかでも、以前よりも私たちはより多くのストレスを感じる事も多くなっている状況ではないでしょうか。

厚生労働省が公表した平成28年度の国民生活基礎調査の結果では、男性の主なストレスの原因は「仕事関係」がダントツで多い回答となっています。
一方で女性のケースは「収入・家計」など経済的、お金によるものが多く、また「家族関係」や「人間関係」といった人との関わりなどでストレスを感じやすいといった回答が多く見られる結果となりました。
 
注目したいのは、女性回答の上位に自分の病気や介護という回答がされていたことです。
特に、自分の病気の他に介護というワードがこの回答のなかに含まれているという事は、背景にいまの日本の課題となっている介護離職など超高齢化社会の影響がそれぞれの家庭のなかでも大きく負担になっている事と、女性の回答で多かった収入・家計」「家族関係などのストレスも、現在の社会保障、福祉サービスとの因果関係が見て取れるのではないかと想像してしまいます。
 
またこういった心身への負担、ストレスは、特に女性の方が表面化しやすく、症状にも男性と比べても表れやすいとも言われています。

介護や福祉に関わる仕事をしている以上、ストレスと上手に付き合うには、まず自分自身が何でストレスを感じているのか、その原因を把握することが必要だと思います。
ストレスを敏感に感じやすいと言われている方の特徴は真面目で完璧主義」「自分のコントロールが苦手」「自分の意思が強く、意見を曲げない、頑固者」「自意識過剰、周りの眼を気にする」「ネガティブ思考」「自己肯定感が低い」などが挙げられるそうです。

「あ、これは自分にあるな」、「いやいやこれらは自分にはない」という内容があると思いますが、厄介なところは、ストレスは無意識のうちに蓄積されていくことで、普段から我慢が続いたり、気を使い過ぎていると少しずつ本当の自分が見えなくなってきて、私生活で無意識でイライラを感じる様になってきてしまう事です。

では、こういった日常的な無自覚のストレスと、どうやって付き合っていけばいいのか、今回はその中でも一番簡単な方法をひとつだけ紹介したいと思います。

それは、「自分自身の気持ちを誰かに話す」という方法です。
 
「そんな事か」と感じられるかもしれませんが、「話す」という行為、ストレス解消には効果は絶大です。
 
「人と話す」という行為のメリットは大きく分けて2つあります。

そのひとつ目は、「ストレス解消」です。
自分の悩み、感情などの想いを誰かに伝える事で、自分のなかで整理できなかったものを言葉にして吐き出す事で整理できるようになり、心を浄化する方法です。これはカタルシス効果とも言われ、いま自分で感じている事を人に話して、人とつながりを持つことで心を安定させる方法です。
誰もが、相手と話をする時は自分が伝えたい内容をきちんと頭のなかで整理しながら話しますが、その効果は想像以上に大きいのです。
まず会話のなかで、自分のなかでモヤモヤしていた問題が明確になっていき、いま悩んでいる事の何が原因なのか、どうしたいのかをはっきりと把握できるようになります。
もしかしたらその会話のなかで、その問題の解決の糸口が見つかったり、さらには実はストレスと感じていたのものが、実はたいした事でなかったりする事を気付くかもしれません。

もうひとつのメリットは、会話というのは自分にとって効果的な「脳トレ」だという事です。
会話とは、「話す」「相手を見る」「話を聞く」「内容を理解し、それに返答する」など、実は脳にとってはこういった複雑な情報処理作業と刺激が繰り返し続く、最大限、一番身近な「脳へのトレーニング」なのです。
身体的に言えば、舌や口を動かす脳の前頭葉、人の話を聞く事で働く側頭葉、さらに記憶を引き出すための海馬も働き、脳全体をフル活用する自分自身への刺激となるのです。
自分の脳が活性化し元気になれば、今抱えている課題、問題の情報処置も対応しやすくなり、ストレスへの免疫力アップにも繋がります。
睡眠を含めて、こういった脳自体の健康がストレス対処への最大の良薬でしょう。

 
私たちの仕事は社会にとって欠かせない仕事です。
だからこそ、ご利用者さまに対してその責任に応えるために、上手くいく事、いかない事、自問自答してスタッフは自分自身に向けてストレスを抱えてしまうケースが多く見受けられます。
 
大切なのは、とにかくプライベートを含めて「小さな悩みでも、ひとりで抱え込まない事」、「会話などを通じて外に向けて気持ちを伝える事」です。仕事だけでなく、社会における様々な疑問、課題、問題のほとんどは、ひとりでは解決出来ない包括的なチームケアそのものなのですから。
WELFARE,NO LIFE!
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