高齢者にとって持続可能な社会とは

コラム

現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 
「持続可能な社会」
最近このキーワードは、様々な分野で聞こえてくるようになりました。
例えば2015年に国連総会でもSDGs(Sustainable Development Goals)「持続可能な開発目標」として採択され、2030年に向けて全世界の課題を17の目標と169のターゲットで具体化したものとなっています。
「健康と福祉を実現する」キーワードも入っており、国や地域、NPO、私たち地域のすべての人々が意識し、取り組むべき目標とされています。
 
では、なぜ国連でこのような採択がされたのでしょうか。
世界には現在、貧困と飢餓、教育が受けれていない子どもたち、エネルギー問題、食べ物やモノの消費と生産とバランス、気象変動などこれからの時代を継続していくためのさまざまな課題、問題が山積しています。なかでも、日本に関連してくる大きな問題は人口減少に関するものでしょう。
 
新型コロナウイルスのパンデミックと人口減少が組み合わさる事で、私たちの生活にもさまざまな影響と意識や技術の進展が見られました。

「リモートワークの推進」、「デジタル化とAI技術の活用」、「公衆衛生とヘルスケアの意識」、「社会的・経済格差の緩和」、「メンタルヘルスのサポート」などは、特に大きな進展がみられました。
さらにオンラインやリモートの推進により、私たちの介護現場でも施設に居て、研修や教育が受けられるようにもなりました。
 
もちろんこれらの技術は、ヘルスケアの分野においても地域や距離の壁を越えて広く利用できるようになりました。
また、ヘルスケアの分野においても、今後、高齢者や地方、地域にも適切なサービスが提供できるように各自治体において、提供体制に大きな経験を積んだものと思います。

持続可能な社会とは、どのような社会であっても現在の人々のニーズを満たしながら、未来の世代が引き続きニーズを満たしていけるように生活、経済、労働力、自然環境など社会のバランスを維持して発展していく事を目指す社会を言います。
 
これらの目指す社会のなかでも、私たち介護と福祉の果たす役割は極めて重要なものです。
 
例えば、介護や福祉の観点から、地域の高齢者の誰しもが安心して暮らせる環境を維持・つくり出していく事。これは地域の活動だけでなく、健康な生活環境を提供していくために活動拠点や高齢者や障がいを持つ皆様が外出しやすい環境をつくる事を含んでいます。
 
また、その県や市において費用や予算が公平に介護や福祉サービスが提供されるよう、適切に分配されなけばなりません。
 
そして、すべての高齢者の皆様が尊厳を保ち、社会参加し、健康で満足のいく生活を送ることが出来るよう、そのキーパーソンである家族介護者への支援、介護従事者への給与などの処遇改善をしていく事が求められています。

では、これら高齢者にとって持続可能な社会を実現するためにはどのような要素が必要でしょうか。
 
必ず必要なのは、政治に関わるもので政策法制度です。

高齢者の皆様にとっての持続可能な社会を作り上げるためには、国や自治体が、それを支える構造をつくりあげないといけません。
あくまで現場の介護や福祉の観点から、適切なサービスがどのような状態でも提供され、その質が担保されていなければいけません。
また、それを実現させるために公的および様々な分野からの必要な予算配分と投資が必要です。地域の高齢者の皆様へ持続可能なサービスを提供するためには、持続可能な社会を理解し、教育と啓発も重要でしょう。

学校教育だけでなく、市民教育や各企業や施設においてもこれに含まれます。
そして再三になりますが、AIやロボット技術、リモートを支える通信技術や、高齢者や障がいを持つ皆様を支えるアシストテクノロジーの導入と、持続可能性は個々の努力だけでなく、社会全体の強力を必要とするため、政府、企業、ビジネス、学術界、そして私たち介護、福祉従事者が一体となって取り組む事が求められるでしょう。
 
これらは相互に関連しているため、一方努力する事で他方の改善にも繋がり影響を与えますから、まずは私たちは今出来る事のビジョンを持って行動していく事が大切だと感じています。

WELFARE,NO LIFE!
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