この時期に施設長がやるべきこと

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現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 
いよいよ年末に結果が出るとされている来年度の介護報酬改定
今回は物価高騰の影響からの施設運営の厳しさと、老施協の調査のなかで特養の赤字施設が全国で約6割にもなるという状況を踏まえ介護だけでなく、医療、障害の同時改定という事もあり例年以上に各審議会、分科会での議論が激しさを増しているところです。
 
私も先月の10月31日に栃木県選出の国会議員の先生方に来年に向けて、栃木県出身の全国老人福祉施設協議会の大山知子会長と共に要望に行って参りました

私が活動している栃木県老人福祉施設協議会は23日から31日まで4日間の日程でそれぞれ国会議員の先生方に要望に行ってまいりましたが、この活動は栃木県だけでなく全国の都道府県でおこなっているものです。

私は、こうした要望活動をおこなっていると毎回「介護報酬改定は、今までよりも厳しい」と思うものです。
そして、こうした危機感を我が事として受け止めているのは、厚労省や財務省などの最新の情報が受け取れる組織の役員、理事長、施設長などの一部の人間だけという感想も毎回抱くのです。

私などは、今、全国の状況がどのようなものになっているか、介護に対して財務省からどのような圧力があるのか、政治としての影響力がどれほど介護に対して逆風に働いているのかなどが、栃木県の副会長として自然にそういった情報が入ってきますが、本当にこうした状況を理解しなければならない現場で働いている全国の介護施設のスタッフには必要な情報が行き渡っていないのではないかと感じています。
 
今の時代、情報はスマートフォン、インターネットで検索すれば簡単に手に入るものばかりです。
しかし、この「調べる」という行為は、調べたいものに本人の「意識」が働かなければ誰しもが行動には移しません。
 
今、全国の介護の現場は忙しく、それぞれシフト通りに業務をこなしながらサービスの質を上げる事に必死であり、その現状をスタッフが理解することはよほど意識が高く、関心がある人間でない限りは食指は動かないのだと想像します。

現場は言うまでもなく「忙しいのです」。

そこに人手不足国から求められる新しい制度・業務が加わるとなればさらに余裕はなくなるのは容易に想像できることです。

それでも、現場のスタッフの皆さんには、今の介護の現状を知ってもらいたいと思っています。
 
例えば、処遇改善や助成金と同じようにお金をもらえるという事、施設にお金が入ってくる仕組みは、要件、つまり「なにかをやっているからの見返り」言わば、国からのお礼です。
 
今は皆がもらっている処遇改善のお金も、法定研修やそれぞれの要件を満たしているからこそ、給与という形で享受することができています。
 
忙しいなかでそれをスタッフが当たり前の事として感じてしまうと、それは「手間」「業務負担」となり、おろそかになってしまえば、いくら制度があっても処遇改善はもらえなくなってしまいます。

介護報酬改定の機会には、それぞれの介護スタッフはその介護報酬の価格や、処遇改善の内容をあらためて理解し、自分ごととして意識する良い機会だと思うのです。
介護報酬のしくみがわかれば、制度にも興味がわきます。
そのしくみがどのようにつくられているかに興味がわけば、おのずと政治に興味を持つのは自然の流れだと思うのです。


施設のスタッフに対して教育、実行、周知するのは、全国の理事長、施設長の役目でしょう。
 
先にも書きましたが「現場は忙しく」、スタッフは今の介護の仕事と生活、そして自分の心身の健康を保つのに精いっぱいだからです。
 
おそれながら、全国の理事長、施設長はこういった時期にスタッフに介護報酬の在り方、しくみ、処遇改善手当がどのように決定され、給与に反映されているのか、解っているだろうと思っていても、しっかり伝える機会だと思います。
 
こういった「伝える機会」というものは介護報酬が改定される3年のうち、今しかないと思いますし、絶好のタイミングだと思います。
 
そういった仕組みが、介護の最前線で汗をかいている全国の介護従事者に理解されなければ、「介護業界から国会議員を出す」という希望は今後厳しくなるでしょう。
 
財務省の圧力、現状の介護従事者の厳しさを知っている人間は、本当の危機感を知っています。
 
私の選挙のときも、「その厳しさ」知っている皆さんは「自分たちの為」に活動しました。
それは候補者である自分のためではありません。
 
ご自分の施設を利用されている、ご利用者、自分の施設の現場スタッフのため、自分の仕事に誇りをもっている「介護のため」だったと私は思います。
まずは「自分の施設のなかからスタッフ一人ひとりの意識変えていかなればならない。」要望活動からあらためてそう感じた一週間でした。頑張りましょう!

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