「介護の日」を通じて

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現場の声届けます!
走る施設長、現場発信!かくた充由です。
 
先週の11月11日土曜日、全国で「介護」をテーマにしたイベントが行われました。
 
11月11日の「介護の日」は、厚生労働省によって定められ、同イベントは、介護の仕事の魅力や大切さを、国民や介護職に携わる人などすべてに感じてもらおうと、各都道府県やさまざまな老人福祉施設の団体が開いているのです。
 
栃木県でも、約4年ぶりに制限のないイベントとして開催され、メインのステージでは、次世代の介護職を担う学生や職員などが応募し、介護の技術や相手をサポートする対応力などを審査する「とちぎ介護技術コンテスト」が開催されました。
 
この技術コンテストは将来の介護職員として可能性を感じさせる素晴らしい機会であったと思いますし、現場の職員だけでなく、審査員や観客の前で高校生や専門学校生が知識と実技を披露することで賞の良し悪しよりもご本人たちの大きな自信と経験になったと感じています。

こうした介護の研究発表やコンテストは、介護職に対する熱意と才能が集まる場所であり、介護分野における人材の確保と社会への周知に大きな希望を示す活動だと思っています。
社会全体がこのようなコンテストを通して、介護の重要性と魅力を再認識し、学生たちの情熱と介護に対する真摯な姿勢が、より多くの支持と関心を集め、多くの人々がこの意義深い介護という仕事に惹かれることを願いたいですし、結果として介護業界への人材流入を促し、質の高いケアの提供を新しい人材の発掘とともに持続可能にしていくことを期待したいと思います。

これからも彼らが介護の現場で輝き続けることを心より応援しています。
 
今回のコンテストであらためて感じたことは、介護の仕事というのは、知識、経験、技術、精神力、思いやり、協調性など、本当に人のもっている全て能力を高いレベルで必要とする総合的なサービスだという事です。
 
リスクの高い高齢者のを対象として、さらに高齢者の命や心身すべてをカバーする責任を考えれば、日本に存在する対人サービスとしては究極の仕事として捉えられるはずです。

まさに、日本のこれから未来の社会基盤を支える貴重な仕事であることに間違いないのですが、残念ながらその社会的評価と賃金は低い水準にとどまっています。
この状況は、介護職の魅力を高め、必要な人材を早急に確保するためにも早急な改善が求められるものです。
 
政府は11月10日、新たな経済対策の裏付けとなる今年度の補正予算案を閣議決定し、そのなかに来年2月より「介護・障がい者福祉職員の給与平均6,000円引き上げる」方針を盛り込みました。
 
必要財源として約490億円を計上していますが、介護の日を前にして、全国で介護職員が不足していることを考えれば、政府の対応として朗報と言える内容でしょう。
 
ただし、いち施設長の立場から考えると職員としてはもちろん嬉しいニュースですが、介護業界全体として最大の問題となっている人材確保、人材流出に直接的に影響するかというともちろん決定的な施策とは言い切れないでしょう。
 
さらに言えば、来年の介護報酬改定で、この6000円増の変わりに、最大の焦点のプラス改定が勝ち取る事が出来なければ、それは介護業界が真に評価されているとは捉えられないでしょう。

しかし政府が今回、現場職員のために段階的にでも賃金アップに補正予算を組んでくれた事は本当に有り難く感じるものです。
 
介護の現場ではよく「やりがい」という言葉が使われます。
素晴らしい意味の言葉ではありますが、この「やりがい」という言葉で、介護職員の評価や賃金をこれからも誤魔化してはいけません

全国で働く、これからの時代を担う、現場の職員の賃金を適正に反映させ、その専門性と貢献を正当に評価する事が、人材確保と持続可能な介護サービスの提供と社会全体の福祉の向上へのとつながるのです。賃金の改善は、介護職への尊敬を示すとともに、この仕事をこれから選択する介護従事者への未来への投資であり、その頑張りに報いる満足感と、社会への貢献度を高めていく事に必ず繋がると思います。

介護の日を通じて全国の介護従事者に敬意を表し、今回のコラムと致します。
いつも有難うございます、よろしくお願い致します!
WELFARE,NO LIFE!
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